オフィスのレイアウトは、仕事の効率の良さに大きく関わる非常に重要な要素です。
オフィスレイアウトは様々な種類がありますが、一般的なレイアウトは島型と呼ばれる対向式レイアウトです。
島型レイアウトは、部署ごとにデスクを対向させて社員同士が向かい合い、端に上長を配置させるレイアウトを指します。
島型のメリットは、コミュニケーションが取りやすいことや、スペース効率が良いこと、デスクが統一されているため移動がしやすいこと等が挙げられます。
また、デスクの角同士が合わさるため電話機の台数が少なくて済むなど、コスト削減も実現できるバランスの取れたオフィスレイアウトと言えるでしょう。
そのため日本では、約9割の組織がオフィスレイアウトに島型を採用しています。
しかし島型というオフィスレイアウトには、他の島との情報交換がしにくいという問題もあります。
同じ島のメンバー同士はコミュニケーションが取りやすいのですが、その半面、閉鎖的で排他的な空間になりがちです。
そのため、組織全体としての情報流通が悪くなり、企業全体の意思決定が遅くなる可能性があります。
また、島型にすると他人の視線が気になって集中できず、仕事の効率が落ちるという人もいるでしょう。
顔を上げた瞬間に同僚や上司と目が合ってしまい、気まずさを感じる人は少なくありません。
そのため、集中を妨げる他人の視線をオン/オフできるオフィスレイアウトが大切になってきます。
日本の影響を受け、アメリカでも島型レイアウトを採用している企業が増えています。
以前のアメリカの企業では、島型レイアウトを取り入れている企業はなく、一人一人のコーナーや、個室を設けていました。
国土が広いからこそできることですが、一人で仕事をすることが本当に良いかというと、必ずしもそうとは言えなかったため、日本の島型を参考に独自のアメリカ式島型がつくられたのです。
当時のアメリカは、日本に比して対GDP比財政が非常に悪く、企業内の情報流通の悪さも問題になったため、コミュニケーションが取りやすい日本の島型レイアウトを取り入れたのです。
アメリカ式島型レイアウトは、日本の島型の特徴である対向デスクのスタイルをヒントにしていますが、デスクを長方形でなく「四葉のクローバー」タイプとし、上長がどこに座っているかが判断しにくいのが特徴です。
日本の島型は上下関係が明確ですが、アメリカ型は誰がどこに座っても良いため、自由度が高くなっています。
また、完全に向かい合って座っているわけではないため、他人の視線が気になりません。
会話をするときだけ身体を横に向けるため、干渉されずに仕事を行うことができます。
視線のオンオフがはっきりできるアメリカ式島型レイアウトは、人の気配感じつつ、必要なときに人と関わるなどの線引きが容易にできるのです。
オフィスレイアウトは、なじみのあるスタイルにしがちですが、自社にとってはどのようなオフィスレイアウトが本当にふさわしいのか、考える必要があるでしょう。
仕事内容については、個人での作業が多いのか、チームで協働しながら進めていくのかなど、様々な視点から検討してみてください。
オフィスのデスクは毎日座って仕事をする場所なので、仕事の効率が上がるようなオフィスレイアウトにする必要があります。
効率的なオフィスレイアウトを考えることが難しいという場合は、プロの適切なアドバイスのもと、企業にとって大きな利益を生むオフィスレイアウトに変えてみてはいかがでしょうか。