ノートPCへの意向やクラウド、ITツールの進歩と共に働き方が変化しているように、オフィス家具もここ数年で大きく進化してきています。導入する企業側もオフィス家具に対する考え方も大きく変わってきています。今回は最近のオフィス家具の仕様の変化や選び方などを踏まえてご紹介したいと思います。オフィス移転やリニューアルの際にオフィスレイアウトやデザインを計画する際にご参考下さい。
オフィス移転やリニューアルで新しくオフィス家具を導入する際に、従来型の片袖デスクや両袖デスクよりもフリーアドレスタイプのオフィスデスクを納入する企業が大半を占め始めています。これはオカムラ、コクヨ、イトーキなど、大手オフィス家具メーカーのカタログを見ても最初に紹介されるのはフリーアドレスタイプのデスクである事が最近のオフィス家具事情を物語っています。余裕を持ったサイズにしておくことで、増員時もスムーズに座席を増やすことが出来たり、オフィスのレイアウト変更も容易に出来る、またLANや電源の配線もスムーズであることからフリーアドレスデスクのタイプを選択する事がスタンダードになっている要因となっています。
PCと向き合う時間が多くなり、デスクで作業をする時間も増えることで体に負担を抱えるワーカーも多くなっており、オフィスチェアーの座り心地や機能を重要視する企業も多い。
前傾姿勢を重視するタイプや体の動きに合わせてイスも動く商品であったり通気性や衛生面を考えてメッシュタイプのチェアを選択する企業も多い。また職種に合わせてチェアーを変えたり、個人が座り心地を確かめて自分にあったタイプを選択できる企業も増えてきました。オフィスチェアは家具の中でも比較的コストがかかる部類に入るが、企業としてもこうして健康面でもサポートするために投資する傾向になってきているようです。
オフィスに個人収納がない会社はほとんどいないに等しいのでは?私物ではなくても個人の書類、仕事中に収納して置く私物等、理由は様々です。ここで悩みどころはデスク下にあるワゴンタイプかパーソナルロッカーにするか迷う担当者も多いのではないのでしょうか。答えは企業それぞれ異なるので正解はないんです。ただ部門別に考えてみるのはいかがでしょう。ノートPC利用者や比較的外出の多い部門、書類を扱うことの少ない部門はパーソナルロッカーに、管理部門に多い書類を扱うことの多い部門はワゴンタイプにと、各セクションの日常業務を振り返り検討することが一番のおすすめです。ちなみにセキュリティレベルの問題もありますが、パーソナルロッカーを選択する際はダイヤル式の施錠タイプにしておくと鍵やカードの管理や紛失対応、また鍵を忘れてきたスタッフへの対応が簡素化され、管理部門の業務が軽くなる事もおすすめです。
簡易的に仕切ることの出来るローパーティション。今までは会議室まで行かないちょっとしたミーティングブースとして利用されるケースが多く見られました。最近は見える化を推進し、オフィス環境をオープンにする傾向が多いことや、ミーティング時間短縮のため立ち会議の導入などにより、ミーティング家具にも変化が見られるようになり、ハイテーブルやスツール、ファミレスのようなボックスタイプのハイバックソファなど、ローパーティションで仕切る必要のないオフィス家具選びが増えています。
オフィス家具といえば丈夫なイメージの白を中心としたスチール製が大半です。ここ数年そのようなオフィス家具の質や色にも変化の流れがきています。働き方が変化する中でオフィス環境にデザインを取り入れる企業が多く、オフィス家具をインテリアデザインの要素として検討する企業がふえました。そのような中で、特にデスクは木の要素が含まれた商品が好まれ、オフィスチェアーなどは色や張地の選択肢が多いものが選ばれるケースが多くなってきています。大手什器メーカーも木製品を多く扱い出したり、オフィスチェアーの色や張地のバリエーションも増えてきています。
デスクや会議テーブルを造作で製作したりやメーカー家具をセミカスタマイズしたりと更に拘りを持って選択する企業も多く、こうした企業はオフィス環境をメディアに紹介されるケースもあったりすることで、PRや採用効果も得られる事も多く聞かれています。またオフィス家具メーカー以外の家具を選び、様々なバリエーションの家具を取り入れる事も今やオフィス家具選定のスタンダードとなっています。
こうして働き方の変化と共にオフィス家具も時代に合わせ変化しています。いまオフィス家具に求められている事は、使えて安ければ良いという事よりも、ワークフローや健康面などを検討材料として、機能やデザインを判断要素に選ばれる傾向にあります。こうした取り組みが生産性やモチベーション、採用や定着率などの企業成果に反映されるための重要な設備投資として検討している企業が増えています。検討をする際は当然、費用も大きくかかる部分です、予算に合わせてまずはオフィスチェアーからはじめてみるなどの部分的に段階を決めて検討してみる事からでも良いかと思います。
ヒトバデザインではオフィス移転やオフィスリニューアルをする際に働き方に合わせた環境設計やオフィス家具のご提案をさせて頂きます。