社内コミュニケーションで得られるメリットは?オフィスデザインによる成功事例
社内コミュニケーションは、組織全体の生産性向上や従業員満足度の向上に直結する重要な要素です。適切な手法でコミュニケーションを活性化させることで、企業の持続的な成長を支援することが可能となります。
本記事では、社内コミュニケーション活性化の重要性に加え、具体的な取り組み方法やオフィスデザインを活用した成功事例について解説します。

社内コミュニケーションとは
社内コミュニケーションとは、企業や組織内部で行われる情報共有や意思疎通の全般を指します。これには、業務上の連絡・意見交換・相談・雑談などのやり取りも含まれます。
社内コミュニケーションは円滑な業務遂行だけでなく、組織の一員としての連帯感を育むうえでも重要です。デジタルツールを用いたチャットやメールだけでなく、対面での会話・会議・社内イベントなど、日常的に行われています。
社内コミュニケーションの目的
社内コミュニケーションの目的は、組織の円滑な運営です。情報がスムーズに伝わり従業員間で共通認識が形成されることで、効率的に仕事を進められます。
また、社内コミュニケーションによって築かれる信頼関係は、生産性やモチベーションの向上につながります。たとえば、新しいプロジェクトの立ち上げ時には部署を超えた議論で多様な視点を取り入れるといった取り組みで、より質の高い成果を生み出すことが可能です。
組織を運営していくうえで、社内コミュニケーションの活性化は欠かせない要素といえます。

社内コミュニケーションの活性化によるメリット
社内コミュニケーションの活性化は、企業にとって多くのメリットがあります。ここでは、具体的なメリットを詳しく解説します。
業務の生産性が上がる
社内コミュニケーションが活性化すると、業務の生産性が上がります。これは、従業員間の連携が取りやすくなるため情報共有が迅速になり、意思決定のスピードが上がるためです。
たとえば、プロジェクトの進行中に問題が発生したときでも、関係者間ですぐに状況を共有し、解決策を検討できるため遅延を防げます。
また、普段から活発に意見を交換していれば、新しいアイデアや改善提案が生まれやすくなる効果も期待できます。結果として従業員一人ひとりの業務効率が高まり、組織全体の生産性向上に貢献します。
従業員の満足度が上がる
社内コミュニケーションの活性化は、従業員満足度の向上にも大きく関わります。従業員一人ひとりが意見を発信しやすくなるため、自分の声が組織に届いている実感を得られるからです。
たとえば、困ったときにすぐに相談できる環境があれば、自分だけで抱え込むことなく問題解決に取り組めるため、心理的な負担が軽減されます。
また、自分の貢献が正当に評価されていると感じられ、仕事へのモチベーションも維持しやすくなります。
顧客の満足度が上がる
社内コミュニケーションの活性化は、顧客満足度の向上にもつながります。社内の情報共有が密になることでサービス提供も円滑に回り、顧客へ迅速で質の高い対応ができるようになるためです。
たとえば、顧客からの問い合わせやクレームが発生しても、部署間の連携がスムーズであれば、関連部署が速やかに情報を共有し対応できるため、顧客を待たせることなく問題を解決できます。
また、従業員が製品やサービスの深い知識を持ち、自信を持って顧客と接すれば、信頼関係も構築できます。顧客のニーズを正確に把握し、適切な提案ができるようになるため、顧客満足度の向上が期待できます。
不正行為の抑制になる
社内コミュニケーションの活性化は、組織内の不正行為を抑制する効果もあります。活発なコミュニケーションを通じて、コンプライアンス違反などに気づきやすい環境が生まれるためです。
従業員同士が日頃からオープンに会話していれば、不審な行動に対して早期に異変を察知し、注意喚起や報告ができます。
また、従業員一人ひとりが組織のルールや倫理規範に対する意識を高く持つようになり、結果として組織全体のガバナンス強化にもつながります。活発な社内コミュニケーションは、健全な企業文化を育む基盤です。
企業のイメージが向上する
社内コミュニケーションの活性化は、企業のイメージ向上にもつながります。従業員満足度の高い企業は社外に対してもよい評判が広がりやすく、採用でも有利となるためです。
活発なコミュニケーションが生まれる職場は、従業員のポジティブな雰囲気が企業の魅力として伝わります。たとえば、SNSでの発信や口コミを通じて、社内の良好な人間関係や働きやすさが伝わると、求職者からの応募が増加して優秀な人材を獲得しやすくなるでしょう。
また、離職率が低いと従業員を大切にする企業として評価され、社会的な信用も高まります。
オフィスデザインからはじまる「社内コミュニケーション活性化」成功事例
オフィスデザインは、社内コミュニケーションを活性化させる有効な手段です。空間が持つ力は想像以上に大きく、レイアウトや設備の工夫によって、自然な形で従業員間の交流を促進し、新たな働き方を作り出せます。
ここでは、実際にオフィスデザインの変更によって社内コミュニケーションの活性化に成功した企業の事例を具体的に紹介します。

株式会社NTTデータ先端技術
株式会社NTTデータ先端技術では、従業員一人ひとりが力を発揮でき、同時にチームとしての連携も高められるオフィスを目指しました。
空間全体を「静」から「動」へとグラデーションで区画し、サイレントエリアからパブリックエリアへスムーズに行き来できるレイアウトにしました。従業員は業務内容に合わせて最適な席を自由に選べます。たとえば、集中したいときはデュアルモニターを備えた集中ブースへ移動して作業に没頭できます。
このような多様なワークスペースは従業員が主体的に働く場所を選べるため、業務効率の向上だけでなく部署やチームを超えた交流を生み出し、コミュニケーションの活性化が期待できます。
株式会社NTTデータ先端技術の事例はこちらからご覧ください。

株式会社アトラエ vol.4
株式会社アトラエ vol.4のオフィスは、オンラインブースを増設した執務エリアが大きな特徴です。
天井をスケルトン仕様にして自然光を取り込み、明るく開放的な雰囲気を確保しています。また、明るい木目とテラコッタカラーのタイルを組み合わせ、温かみのあるクリーンな空間に仕上げました。
さらに、窓際に配置したグリーンがリラックス効果をもたらし、従業員が快適に働けるよう配慮しています。
オンライン会議が増えた現代の働き方に対応しつつ、広がりを感じるレイアウトを採用したことで、従業員同士が気軽に交流できる環境が生まれました。
株式会社アトラエ vol.4の事例はこちらからご覧ください。

オープングループ株式会社
オープングループ株式会社は、執務室の隣に広いフリースペースを設けて従業員同士の交流を促進しています。
インテリアは、木の質感と丸みを帯びた家具を組み合わせた居心地のよい空間に仕上げました。また、中央には格子状ルーバーをあしらったカフェカウンターを設置し、木の温かみと幾何学模様がシンボルとして視線を引き付けます。
どの席に座っても同じ空間を共有している一体感が生まれ、コミュニケーションが取りやすいのが特徴です。さらに、大人数のセミナーに対応できるひな壇席や雑談や軽い打ち合わせに適したスペース、リラックスできるソファエリアなどタイプの異なる座席を用意し、交流が生まれやすい環境を作りました。

Mipox株式会社
Mipox株式会社のオフィスは、ベージュとグレーを基調に濃淡のグリーンを差し込み、温かさと落ち着きを両立させています。丸の内らしい都会的なテイストを加えることで、従来の製造業のイメージを一新しました。
空間の細部には「塗る・切る・磨くで世界を変える」という理念を反映し、エントランス近くに設けたパントリーカウンターは鏡面仕上げのシャープなラインで「磨く」を表現しています。
Mipox株式会社のデザインは企業理念を視覚的に示すだけでなく、従業員に自社の価値観を再確認させ、一体感を高めるきっかけを作ります。

e-dash株式会社
e-dash株式会社は、オフィスの両側にある窓を一直線につなげるレイアウトを採用し、視線が抜ける開放的な空間を作りました。壁は特殊塗装でやわらかな質感を持たせ、床には木目を用いて落ち着きを演出し、フロア全体に統一感と心地よさをもたらしています。
さらに、床の高低差や部分的にスケルトンにした天井で空間にアクセントを加え、環境負荷の少ない上質な家具を厳選して配置しました。その結果、機能性とデザイン性を兼ね備えた美しいオフィスが完成しています。
従業員がリラックスしやすく会話が自然に生まれるため、部署の垣根を越えたコミュニケーションが活性化します。

NGB株式会社
NGB株式会社は、従業員数の増加と在宅勤務・オンライン会議の定着を受け、15年以上固定席だったオフィスビルの1フロアを全面リニューアルしました。
内装は清潔感のあるソフトホワイトを基調に、落ち着きを与えるブルーとピンクをアクセントとして配置し、メリハリをつけながらもリラックスできる空間を演出しています。
開放感のあるコミュニケーションエリアにはダークブラウンとアイボリーでまとめた造り付けのソファ席を設け、スタイリッシュさと温かみを両立させました。メンバーはくつろぎながら活発に会話を楽しめます。

社内コミュニケーションのやり方
社内コミュニケーションを活性化させるためには、幅広いアプローチがあります。ここでは、社内コミュニケーションを促進させる方法を具体的に紹介します。
1.社内報
社内報は、社内の出来事や連絡事項を従業員に向けて広報する媒体です。紙媒体だけでなく、社内SNSで公開されたり、メルマガのような形式で配信されたりする場合もあります。
社内報で従業員のプロフィールやプロジェクトの内容を共有すれば、企業での出来事や最新の情報を従業員全体で共有し、帰属意識を高められます。
たとえば、新入従業員の紹介や部署ごとの業務内容、従業員の趣味や特技などを紹介すれば、普段接点のない従業員同士でも共通の話題を見つけることが可能です。
また、経営層からのメッセージや企業のビジョンを定期的に発信すれば、従業員全体の一体感を作る効果も期待できます。
2.社内イベント
社内イベントは、従業員が業務以外の目的で集まり、コミュニケーションをとる取り組みです。忘年会や新年会などの懇親会・従業員旅行・運動会・ボランティア活動などが挙げられます。
社内イベントでは、普段交流のない部門の人と知り合えるきっかけになります。形式ばった会議室ではなく、リラックスした雰囲気での交流は、本音での会話を引き出すためにも重要です。
3.社員食堂
社員食堂も、コミュニケーション活性化に役立つ重要な場所です。食堂ではなく、おしゃれなカフェやバーなどの形で運営されるケースもあり、従業員がリラックスして過ごせる空間を提供します。
ランチタイムに部署の垣根を越えて集まれば、普段話す機会のない従業員同士が気軽に会話を交わせる機会が生まれます。
さらに、クオリティの高い社員食堂は採用の際にも有利です。福利厚生の充実としてアピールでき、企業イメージの向上にもつながります。
4.1on1
1on1は、上司と部下が1対1で定期的に行うミーティングです。多くの場合、部下が仕事で困っている・うまくいっていることを上司に報告し、上司はアドバイスやフィードバックを行います。
1on1は部下の成長を促すことを目的としていますが、同時に上司と部下の信頼関係も深められます。部下は自分の意見や悩みを安心して話せるようになり、上司は部下の状況をより深く理解できるため、適切なサポートが可能です。
業務上の課題解決がスムーズになるだけでなく、部下のモチベーション向上やエンゲージメント強化にもつながり、離職を防げます。
5.チャット・SNS
従業員だけで運用されるチャットやSNSは、社内SNSとも呼ばれます。多くはWeb上で運用され、従業員だけがアクセス権限を持っています。
社内報が発行部署からの一方通行であるのに対し、社内SNSは誰でも発信可能です。そのため部署や役職に関わらず、誰もが気軽に情報共有や意見交換ができます。
また、必要なことだけを端的に伝えられるようになり、コミュニケーションコストの削減にもつながります。
6.部活動
業務時間以外で趣味の活動を行う社内部活動も、社内コミュニケーション活性化に役立ちます。たとえば、フットサル・野球・読書・ボードゲームなどさまざまなジャンルがあります。
共通の趣味を持った従業員が定期的かつ継続して集まるため、より長く深い交流が可能です。業務では接点のない部署の従業員や、普段話す機会のない役職の従業員と共通の話題で盛り上がることで人間関係が構築されます。
部活動は従業員のリフレッシュ効果だけでなく、社内の風通しをよくするためにも重要です。
7.社員研修
社員研修は、社外の講師を招く一般的な社員研修から、イベント的に実施されるワークショップまで、さまざまな種類があります。
新たなスキル・知識の習得や、キャリアアップに向けた気付きの機会として設定される場合も多いですが、社員同士の関係性向上にも大きく関わります。
とくにグループワークやディスカッションを取り入れた研修は、普段関わりの少ない社員同士が協力して課題に取り組むため相互理解が深まります。研修を通じて得られた共通の体験や知識は社内コミュニケーションのきっかけにもなり、部署間の連携をスムーズにするうえでも有効です。
8.朝会・座談会
朝会や座談会は、始業時・就業時・ランチの時間などに、チャットツールやWeb会議ツールを自由に使えるようにして雑談する場を設ける取り組みです。
形式ばらない気軽なコミュニケーションの場を提供できれば、些細な工夫がコミュニケーションコストを下げるきっかけにもなります。
たとえば、朝会では業務内容や連絡事項を共有するだけでなく、週末の出来事や個人的なニュースなどを話せば従業員間の距離を縮めることが可能です。
座談会では特定のテーマを設けず自由に会話を楽しめば、普段業務では話さないような話題に触れ、互いの人柄を知るきっかけを作れます。
9.フリーアドレス
フリーアドレスは、席を固定せずに、空いている席やオープンスペースを業務内容に応じて選ぶ制度です。フリーアドレス制度で毎日異なる席に座るため、さまざまな部署や役職の従業員と隣りになる機会が増えます。
これにより上下関係や部門間の障壁が取り除かれ、コミュニケーションが活性化しやすい環境が生まれます。偶発的な会話が生まれやすくなり、新たなアイデアの創出や部署間の連携が期待できるのもメリットです。
また、業務内容に合わせて集中できるスペースや議論できるスペースなど、多様なワークスペースを選べるため従業員の生産性向上にもつながります。
10.対話集会
対話集会は、経営トップと一般従業員とが一堂に会して直接対話できるミーティングです。経営層が自らの言葉で会社のビジョンや戦略を伝え、従業員からの質問や意見に直接答えることで、コミュニケーションを促進します。
従業員は対話集会を通して経営層から直接聞けるため、会社への理解を深めることが可能です。また、Web会議ツールを用いれば遠隔地の従業員も参加でき、オンラインで社内コミュニケーションができる施策の手段になります。
定期的な対話集会は、組織の一体感を作るうえで重要な役割を果たします。
まとめ
社内コミュニケーションの活性化は、企業の生産性向上や従業員満足度の向上など、多くのメリットがあります。社内での取り組みに加え、オフィスデザインを工夫すれば、さらなる効果が期待できます。
社内コミュニケーションを促進するために、機能的でおしゃれなオフィス作りをお考えの方は、ぜひ一度「workkit by HITOBA DESIGN」にご相談ください。
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また、お客様とプロジェクトチーム、さらにチーム間の連携が優れており、無駄を省き、スムーズにプランニングを進めることができます。最適なオフィス環境をご提案し、社内コミュニケーションがより活発に生まれる空間作りをサポートいたします。
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