オフィスの収納&整理術!フリーアドレスにも対応した整理整頓のコツ
書類や文房具・OA機器などの物があふれるオフィスでは収納の悩みがつきません。複数の人がスペースや物を共有することから、個人的な努力だけでは整理整頓ができないこともあるでしょう。
テレワーク・リモートワークの普及、フリーアドレス制の定着などにより個人の収納スペースを固定化できず、文房具等の収納に困っている方もいるかもしれません。そこで本記事では、オフィスにおける収納の悩みを解決する整理整頓のコツを紹介します。
オフィス収納の悩みは?

オフィス収納にまつわる悩みにはどのような物があるのでしょうか。まずは、オフィスでの収納の困りごとについて考えてみます。
デスク周りが煩雑になりやすい
個人で管理するデスク周辺は、書類・文房具・個人の荷物など数多くの物を収納しなければなりません。また、パソコンや周辺機器などもあり煩雑になりやすい場所の一つです。近年では、複数の人で共有したり、場所を自由に移動したりと固定のデスクを設けないケースも増えています。そのため、個人的なアイテムの収納場所の不足や都度持ち運ぶ不便さも悩ましい問題です。
共用スペースが煩雑になりやすい
オフィスでは、共用している物やスペースが数多くあります。書類やストック文具などのほか、業種によってはカタログ・サンプル品等をチームや会社全体で複数の人が利用しています。収納ケースやブックスタンドなどを使って整理していても、いつの間にか紛失していたという経験のある方もいるでしょう。管理のルール化とわかりやすいラベリングをするといった工夫が必要です。
オフィスの収納家具がおしゃれじゃない
オフィス家具は無機質で、デザイン性に乏しいと感じることがあります。機能性は高くても、インテリア空間を魅力的に見せるアイテムであってほしいと考えるワーカーもいるのではないでしょうか。デスクやチェアも同様に画一的でおしゃれではないケースも多いので、モチベーションが上がらない人もいるかもしれません。とくに、収納家具はバリエーションが少ないため雰囲気のよいインテリア作りがしにくいアイテムです。
デスク周辺の整理整頓のコツ

オフィス収納の悩みの一つである「デスク周辺の整理整頓」を、解決するアイデアをご紹介します。こまめに片付けをして、不要な物を処分するといった日々の作業も重要ですが、そのような整理整頓がしやすい環境を作ることから始めてみましょう。
物の住所を定める
自分が使うアイテムには何があるかを把握し、適切な場所に収納します。文房具やデスクの一番上の引き出し、書類は下段の引き出しなど、大きく区分を決めてみてください。さらに、引き出し内で細かく分類します。文房具を入れる引き出しにはトレイなどを利用して、収納する物のサイズや種類ごとに分けておきます。
物は使う頻度によっても収納場所を変えます。毎日使う物は取り出しやすい場所に保管しましょう。また、必要以上の物を持たないようにすることも大切です。無くなったときに備えて、クリップやボールペンの替え芯などを大量にストックしていませんか?意外と使いきれないこともあります。どれくらいの期間で使い切るのかを想定して、最低限必要な分量を保管しましょう。
コード類をまとめる
パソコン・キーボード・マウス・ディスプレイ・スマートフォンの充電器などの機器を多用することの多いオフィス。電源やケーブルがたくさん必要ですが、それぞれが絡まってしまうことがよくあります。ケーブルクリップやコードホルダーを使い、コード類をまとめるようにしてみてください。
同じ種類の機器を使っていると、他の人の物と間違えてしまうことがあります。スマートフォンの充電器を別の人が使っていて、紛失したと思い困った経験がある方もいるのではないでしょうか。色違いのケーブルクリップを使うなどの工夫をするとよいでしょう。
書類は立てる
契約書等の書類もオンライン上でデータ管理されることが多くなりました。ペーパーレス化は今後ますます進むことが予想されますが、まだ紙の書類はなくなりません。ファイルにとじて保管している会社もまだまだあります。そのため、紙の書類の保管もしっかりと行いましょう。
紙の書類は平積みにするとますます整理がしにくくなります。クリアファイルに入れる、ファイルにとじるなどして立てた状態で保管してみてください。デスクの引き出しに収納する際も同様で、ファイルの背表紙が見える状態にします。クリアファイルは薄いため、量が増えるとどこに何があるかわからなくなります。ファイルの色分けやインデックスをつけるなどして、判別できるようにしましょう。
フリーアドレスオフィスの整理整頓

フリーアドレス制の場合、固定の席や個人の収納スペースがないため、より計画的な整理整頓が求められます。ここでは、効率的な収納方法や持ち運びのコツ、セキュリティ対策など、フリーアドレスオフィスならではの整理整頓の方法をご紹介します。
持ち運び可能な収納ボックスの活用
固定席デスクに付属している引き出しやドロアのような収納スペースがないため、個人の道具や書類を持ち運ぶ必要があります。A4サイズの書類やファイルが収納できる、軽量で丈夫な収納ボックスがあると便利です。取っ手付きの物や、スタッキング可能なタイプを選べば、持ち運びや保管がしやすく重宝します。
また、収納ボックスの中は、仕切りやポーチを使って細かく整理することをおすすめします。文房具や書類、デジタル機器の付属品など、カテゴリーごとに分類して収納しましょう。必要な物をすぐに取り出し、業務の効率化が図れます。
セキュリティ対策の必要性
フリーアドレス制において、個人情報や機密情報を含む書類やデバイスの管理は、厳重な注意が必要な項目です。施錠可能な個人用ロッカーを活用し、重要書類やノートパソコンなどを安全に保管しましょう。デスクを離れる際は書類を収納ボックスにしまう、パソコンはログアウトするなど、基本的なセキュリティ対策を徹底してみてください。
さらに、のぞき見防止フィルターを活用して、画面の盗み見を防ぐことも必要です。また、クラウドストレージの活用も有効な対策の一つです。書類はデジタル化してパスワード保護された環境で管理し、紙の文書を必要最小限に抑えることも、情報漏洩のリスク軽減につながります。
個人の荷物の管理方法
専用のデスクがないため、個人の所持品をコンパクトに管理する必要があります。通勤用のバッグや上着、傘などの私物は、個人用ロッカーやコートハンガーを活用して収納しましょう。また、ランチボックスや水筒などの日用品は、清潔に保管できる専用の収納スペースを設けることをおすすめします。
デスクで使用する文具類は、持ち運びしやすい小型のケースやポーチにまとめておくと便利です。必要最小限の物だけを持ち歩くことで、デスクの移動がスムーズになり、整理整頓もしやすくなります。共有の資料や文房具を使用した際は、必ず決められた場所に戻すことも大切です。他の人が探す手間を省き、効率的な業務環境の維持に努めましょう。
ロッカーの効果的な使用方法
個人用ロッカーの確保は、フリーアドレスオフィスを効率的な運営に欠かせません。限られたスペースを最大限に活用するため、上段には使用頻度の低い物や季節物、中段には日常的に使用する文具や書類、下段には重い物や大きな物を収納するなど、収納物を区分けするとよいでしょう。
また、ロッカー内部を小分けにする収納ボックスやトレイを活用すると、小物の整理がしやすくなります。個人用ロッカーが小さい、または共有する必要がある場合は、仕切り付きの収納ケースやファイルスタンドを使用することで、限られたスペースを有効活用できます。さらに、定期的に中身を見直し、不要な物を処分することも大切です。
共用スペースの整理整頓のコツ

オフィスは「どれだけ自分のスペースを整理していても共有スペースが片付かない」「物が紛失しやすい」といった悩みが尽きません。そもそも、共有の収納家具が不足している可能性もあります。そこで、ここでは共有スペースの整理整頓のコツをご紹介します。
収納場所を全員がわかるようにする
デスク上と同様に、物を収納しておくべき場所をしっかりと決めることで紛失を減らせます。書類ファイルの背表紙にはタイトルをラベリングして、五十音順やアルファベット順に並べると戻す位置がわかりやすくなるでしょう。文房具のストックや共有しているアイテムなども、どこに何を収納しているかが視認しやすいようにラベルを貼るようにしてみてください。
ボールペンなどの筆記具は個人で所有している物もありますが、文房具はオフィス内で共有するケースもよくみられます。はさみ・ホチキス(ステープラー)・クリップ・カッターなどの使用頻度はやや高い物の個人所有をするほどではない物は、どこにあるかわかりやすくすると同時に「すぐに元に戻せる」状況を作るようにしましょう。物の形にへこみをつけたボックスなど、どこに置けばよいかすぐにわかる収納アイテムの活用もおすすめです。
書類は定期的に整理する
紙の書類はわかりやすくファイリングをしても、すぐに溜まっていきます。あらかじめ保管期間を決めておき古い物から処分するなど、定期的な整理を心がけましょう。また、データ化して保管し、紙書類はできるだけ持たないようにすることも重要です。
書類を電子化するスキャニング業務をアウトソーシングする方法もあります。データ化だけでなく、入力などを請け負ってくれるサービスもあるため、自社内で処理しきれない書類のデータ化などの事務作業を依頼する方法も検討してみてください。
収納物に適した家具を用意する
そもそも、収納したい物に収納家具のサイズや仕様が適していないために、整理整頓ができない場合もあります。例えば、書類に多い「A4」タテのサイズは29.7cmです。ファイルにとじた場合を考えると、収納内の高さは32cm以上が必要でしょう。また、奥行きはA4ヨコサイズが21cmのため、収納内の奥行きは25〜35cmが適切です。奥行きが深すぎると、かえって取り出しにくくなります。
頻繁に出し入れするカタログや資料はオープン棚に、機密事項が記載されているような書類は施錠ができる扉付きの収納に保管するなど収納物によって管理方法も考慮してください。文房具のストックなどの細かな物は、引き出し付きの収納ケースを併用して分類するよよいでしょう。
収納家具の色や高さをそろえる
収納家具のサイズや仕様・色がバラバラだと、空間全体が煩雑に見えます。そのため、収納家具自体も統一感を持たせてオフィス空間をコーディネートしてみてください。高さや奥行きをそろえるだけでも、まとまりのある印象を出せます。
オフィスをデザインするときには収納家具も、インテリアを引き立てるアイテムの1つであることを意識して選定しましょう。壁側に設置する収納だけでなく、部署の仕切りとして収納家具を使うコーディネートもおすすめです。
収納スペースを効率よく活用する
限られたスペースでも効率的に動けるように、オフィス内の動線を考慮して収納家具を設置しましょう。チームメンバーの座席配置や会議室、プリンターなどの共有設備との関係性を踏まえて、配置を検討する必要があります。例えば、日常的に使用する収納は手の届きやすい場所に、使用頻度の低い収納は動線から外れた場所に配置するなど、利便性を考えた配置計画が必要です。また、収納家具の開閉スペースも考慮に入れ、通路を妨げないような余裕を持たせた配置をしてみてください。
コーナースペースや壁面など、デッドスペースを有効活用することで収納スペースを確保できます。コーナー用の収納家具を設置したり、壁面に棚を取り付けたりして、限られたスペースを最大限に活用します。収納家具の高さを天井近くまで活用することで、床面積を抑えながら収納容量を増やすことも可能です。ただし、高所の収納を利用する際は、安全性に配慮し必要に応じて踏み台を用意します。また、スプリンクラーや換気設備をふさがないように留意しましょう。
定期的な棚卸しを実施する
オフィスの収納を効率的に管理するためには、定期的な棚卸しが必要です。保管している物品を全て洗い出し、使用頻度や必要性を精査してみてください。不要な物や期限切れの商品を特定して適切に処分しましょう。この棚卸し作業を確実に実施し、継続的な管理を行うためには、部署ごとに担当者を決めて責任の所在を明確にし、定期的なチェック体制を構築することが重要です。また、棚卸しの実施時期や頻度も予め設定しておくと、スムーズで確実に管理ができます。
さらに、棚卸しの際には単なる物品の確認だけでなく、収納スペース全体の使用状況も詳細に確認しましょう。現在のレイアウトの見直しや、新たな収納スペースの確保の検討が必要かもしれません。各部署での収納ニーズの変化や、今後の増加予測なども考慮に入れながら計画を立てましょう。定期的な見直しと改善を重ねることで、より効率的な収納管理と業務遂行が実現できます。
効率よく仕事に取り組むためにオフィスの収納を見直そう

整理整頓が行き届いていないオフィスでは、必要な書類や備品を探す時間が増え、業務効率が大幅に低下します。また、散らかった空間では集中力が低下し、ミスが発生するリスクも高まるでしょう。デスク周りの整理から共有スペースの活用、適切な収納家具の選定、そして定期的な棚卸しまで、体系的な収納計画を実施することが重要です。
収納の改善は一朝一夕にはいきませんが、チーム全体で取り組むことで、効率的で快適な職場環境を実現できます。整理整頓された清潔なオフィスは、社員のモチベーション向上にもつながり、結果として生産性の向上にもつながるのではないでしょうか。ぜひ、紹介した方法を参考にして、オフィス収納の見直しに取り組んでみてください。