オフィスにカフェスペースを設けるメリットとは?活用法や導入事例をご紹介
従業員の集中力低下や部門間のコミュニケーション不足は、企業の成長を静かに妨げる要因です。
こうした課題に対し、多くの先進企業が「オフィスのカフェスペース」を設けることで目に見える成果を上げています。
適切に設計されたカフェスペースは、従業員の生産性を高めるだけではありません。
社外へのPRツールとして機能し、採用活動を有利に進める効果も期待できます。
本記事では、オフィスのカフェスペースがもたらす具体的なメリットや、失敗しないレイアウト術、多様な活用法をまとめました。
workkitが手掛けた導入事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
オフィスにある「カフェスペース」とは?

オフィスにある「カフェスペース」は、カフェのようにおしゃれでリラックスできる雰囲気を持つ多目的スペースのことです。
従来の休憩室や食堂と異なり、休憩や食事、打ち合わせやちょっとした作業にも使えるため、従業員が気軽に集まり自然な交流が生まれやすくなります。
オフィスにあるカフェスペースにはラウンジ型やカフェテリア型などいくつかの種類があり、オフィスの雰囲気や目的に合わせて選べる点も大きな魅力でしょう。
オフィスのカフェスペースが注目される理由

近年、オフィスにカフェスペースを設置しようと考える企業は増加傾向にあります。
本章では、オフィスにあるカフェスペースが注目される3つの理由を見ていきましょう。
1. 社内コミュニケーションの活発化
オフィスにカフェスペースを設けることで、部署や役職を越えて社内のさまざまな人と気軽にコミュニケーションが取れます。
休憩や雑談などをきっかけに会話が広がり、交流のなかから新しいアイデアや発想が生まれることもあるでしょう。
仕事に関する意見交換や相談に加え、時にはプライベートな会話も交わすことで従業員同士の心の距離が縮まり、社内の風通しをよくする効果が期待できます。
2. 企業のイメージアップにつながる
オフィスにカフェスペースを設けることは、単なる休憩場所の提供にとどまらず、企業イメージの向上にもつながります。
従業員を大切にする姿勢や、先進的な取り組みをおこなう企業として社外にアピールできる点が大きな強みです。
さらに、ブランドイメージに合わせたデザインや内装を取り入れると、取引先、訪問者、求職者にも好印象を与えられるでしょう。
イベントなどでカフェスペースの様子を発信すれば、広報活動としての大きな効果も期待できます。
3. 導入のハードルが低い
オフィスのカフェスペースは、オフィスの一角にコーヒーマシンや簡単な飲食スペースを設置するだけでも簡単に導入できます。
比較的少ない投資で設置できるため、予算に制限のある企業でも取り組みやすいでしょう。
さらに、オープンスペースとして設置すると、特定の人だけが使う喫煙所のような場所となる心配が少なく、多くの従業員が気軽に立ち寄れる空間となります。
オフィスにカフェスペースを設けるメリット

オフィスにカフェスペースを設けるのであれば、メリットについても理解しておきましょう。
ここでは3つのメリットについてまとめましたので、カフェスペースの導入を検討する際の参考にしてください。
1. 心理的安全性の向上
オフィスにカフェスペースを設置することは、心理的安全性を高めるための有効な取り組みの一つとなります。
心理的安全性とは「チーム内で気兼ねなく自分の意見や考えを表現できる」と思えている状態を表す、心理学の用語です。
リラックスした環境での会話は、従業員同士の理解を深め、普段は口にしづらい意見や新しい発想を共有するきっかけになる可能性があります。
2. 生産性の向上
オフィスにカフェスペースを設置すれば、従業員が短時間でリフレッシュできる環境が整います。
人間の集中力は一般的に30分程度で低下するとされており、業務の合間の短い休憩は生産性の向上に効果的です。
カフェスペースを活用すれば、業務と休憩のメリハリをつけながら効率的に作業を進められるでしょう。
結果として、従業員一人ひとりの業務パフォーマンス向上が期待でき、オフィス全体の生産性向上にもつながります。
3. 採用効果の向上
オフィスにカフェスペースを設けることは、採用活動にもよい影響を与えます。
従業員がリラックスできる場やモチベーションを高められる環境を提供している会社は、求職者に注目されやすく、競合他社より優位に採用活動を進められるでしょう。
現代では、若い世代ほど労働環境や福利厚生を重視する傾向があります。
カフェスペースの設置は、従業員の定着を支えると同時に、求職者にとっても魅力的な職場であることを印象付けられる重要な施策です。
オフィスでのカフェスペース活用方法

オフィスに設けるカフェスペースには、さまざまな活用方法があります。
本章では特に重要となる4つの役割を見ていきましょう。
1. リフレッシュスペース
オフィスのカフェスペースは、従業員がリフレッシュする場として活用できます。
業務の合間に一息つけるスペースを設けることで、集中力の維持、思考の整理、業務効率の向上が期待できるでしょう。
リフレッシュスペースをより有効に活用するには、周囲の視線が気にならないように緩やかに空間を仕切ったり、一人でゆったり座れるチェアを配置したりすることがおすすめです。
短時間でも気分転換できる環境は従業員の作業パフォーマンス向上につながり、オフィス全体の生産性向上にも寄与します。
2. コミュニケーションスペース
オフィスのカフェスペースは、従業員なら誰でも利用できるオープンな空間として設置することで、部署や立場を越えたコミュニケーションの場となります。
また、情報発信や共有のスペースとしても活用でき、社内の風通しをよくする効果に期待できるでしょう。
開放的なレイアウトに大きめのテーブルやソファを配置すれば、複数人での雑談もしやすい環境となります。
従業員同士の交流と情報共有を促す、オフィス内にあるカフェスペースの重要な活用方法です。
3. ミーティングスペース
オフィス内にあるカフェスペースは、プレゼンテーションやディスカッションの場としても活用できます。
ホワイトボード、モニター、プロジェクターなどを設置すれば、社内外の打ち合わせにも対応可能です。
ただし、ミーティング利用者が増えると、休憩やリフレッシュ目的の従業員がくつろぎにくくなる可能性もあるでしょう。
ミーティングスペースとしての活用も検討している場合は、席数、配置、レイアウトに配慮し、業務利用と休息の両立ができる環境づくりが大切です。
4. イベントスペース
オフィス内にあるカフェスペースは、社内外のイベントやセミナーの場としても活用できます。
スクリーンや音響設備を設置すれば、講演会、ワークショップ、懇親会など、さまざまな形式のイベントに対応可能です。
おしゃれなカフェスペースであれば、社外の来訪者にもポジティブな印象を与えやすく、企業イメージの向上にもつながるでしょう。
イベントスペースを兼用する場合は、可動式や収納効率のよい家具を取り入れると、イベントの規模や内容に応じて柔軟にレイアウトを変更できる空間になります。
オフィスのカフェスペースをおしゃれに魅せるレイアウトのコツ

カフェスペースをただ設置するだけでは、うまく活用されないケースも考えられます。
次にご紹介する、おしゃれに魅せるレイアウトのコツを参考に、より魅力的なカフェスペースを実現させましょう。
執務スペースと異なる色や素材を取り入れる
オフィスのカフェスペースをおしゃれに魅せるには、執務スペースとは異なる色や素材を取り入れることが効果的です。
人間は無意識のうちに色で空間を認識するといわれており、壁や床の色を区別することで、仕事の場所とリラックスする場所の心理的なメリハリが生まれます。
カフェスペースであれば、落ち着きを与える青色や緑色、気分を明るくさせる黄色が有効です。
また、壁の一部を木目調にしたり、フローリングタイプの床材を採用したりすることで、空間の差別化を図ることも可能です。
執務室とカフェスペースを同じ空間内に設ける場合は、ラグなどで床をゾーニングすると、リビングのように居心地のよい空間を演出できるでしょう。
心理的なメリハリとデザイン性を両立させたレイアウトが、カフェスペースの魅力を高めるポイントです。
遊び心のあるインテリア家具を設置する
オフィスのカフェスペースは、遊び心のあるおしゃれなインテリア家具を取り入れることで、従業員の利用率を高められます。
例えば、ランチやミーティングにも使える4人掛けのテーブルや、1人でゆったりくつろげる座り心地のよいソファなど、従業員が思い思いに過ごせる家具を複数用意するとよいでしょう。
また、リラックス効果のある観葉植物を置いたり、コミュニケーション活性化や知識習得のための図書コーナー、掲示板などを設置したりすることもおすすめです。
少しの工夫を加えることで、単なる休憩スペースにとどまらず、従業員同士の交流やアイデアの発信を促す魅力的なカフェスペースにできるでしょう。
小上がりを設置する
オフィスのカフェスペースに小上がりを設置すると、従業員が気持ちを切り替えてリラックスできる空間になります。
小上がりとは、オフィスの床から一段高くした場所であり、靴を脱いでゆったり過ごせるエリアとして近年注目されています。
素材をフローリング、カーペット、畳などで使い分けて工夫すれば、座り心地や雰囲気を変えることも可能です。
従業員同士が会話を楽しみながらくつろげる場所にすることで利用頻度も高まり、コミュニケーションの活性化や心身のリフレッシュにつながるでしょう。
カフェカウンターを設置する
オフィスのカフェスペースにカフェカウンターを設置すると、おしゃれなカフェの雰囲気を手軽に演出できます。
ハイカウンターを導入すれば、高さのある椅子に座ることも立って利用することも可能で、長時間の座業で凝り固まった姿勢を変えるきっかけにもなるでしょう。
カウンターの形状は、L字型やコの字型などさまざまで用途やスペースに応じて選べます。
設置スペースが限られている場合は、キャスター付きのワゴンカウンターを活用するのもおすすめです。
場所を取らずに飲み物やお菓子を提供でき、利便性の高い空間を作れます。
照明にこだわる
オフィスのカフェスペースでは、照明にこだわることも居心地のよい空間を演出する重要なポイントです。
デザイン性のあるペンダントライトや間接照明を取り入れると空間全体がおしゃれにまとまり、利用者がリラックスしやすくなります。
また、執務空間で多く使われる蛍光灯ではなく暖色系の照明を用いることで、柔らかく温かみのある雰囲気を作り出せるでしょう。
照明を工夫するだけでも、カフェスペースの魅力と快適性を大きく高められます。
オフィスのカフェスペース導入事例3選
続いては、「workkit」が実際に手掛けた、オフィスにカフェスペースを導入した事例を3選ご紹介します。画像付きで解説しているので、具体的なイメージを膨らませたいという方は、ぜひ参考にしてください。
木の温もりと多彩な座席で生まれる自然なコミュニケーション

「オープングループ株式会社」のオフィスでは、木の質感や曲線的な家具を用いたカフェスペースを取り入れました。

カフェカウンター、ひな壇、ファミレス席、ソファエリアなど、多彩な座席を配置しています。
これにより、従業員が自然に会話を交わしたり、リラックスした時間を過ごせたりする空間に仕上がっているでしょう。

また、一部にはグリーンを取り入れ「木が育つようにたくましく、伸びやかに成長する姿」と「会社の成長」を重ね合わせた工夫も施しました。
このカフェスペースの導入により、従業員同士のコミュニケーションが活性化し、創造性やエンゲージメントの向上につながっています。
オフィスデザイン事例:「オープングループ株式会社」
目的に合わせた座席タイプを利用できるカフェスペース

「NTTデータ先端技術株式会社」のオフィスでは、目的に応じて利用できる多彩な座席を備えたカフェスペースを取り入れました。

個人で集中して作業できる席や、ソファでリラックスできるエリア、靴を脱いでくつろげるスペースなど、従業員の気分や用途に応じて選べる工夫を施しています。
全体の仕上がりは落ち着いたダークブラウンを基調としており、空間の合間に配置したグリーンがリフレッシュ効果を高めています。

また、コーヒーメーカーも設置し、気軽に利用できる点も魅力の一つです。
目的に応じて座席を選べるカフェスペースは、従業員のリフレッシュやコミュニケーションを自然に促す場となっています。
オフィスデザイン事例:「NTTデータ先端技術株式会社」
従業員の交流とアイデア創出を促す「TC stand」カフェスペース

「トヨタコネクティッド株式会社」のオフィスには、従業員の交流やリフレッシュを目的とした「TC stand」というカフェスペースを取り入れました。
このスペースは世界初のドライブイン「Pig stand」から着想を得ており、従業員が自由に集まって自然にコミュニケーションを取れる環境が整っています。

また、車をテーマにしたデザインや遊び心のあるインテリアも特徴で、座るだけでなく立ったままの短時間ミーティングやデモンストレーションにも対応可能です。
TC standの導入により、従業員同士の会話やアイデア交換が活発になり、交流と創造性の向上を促す空間となっています。
オフィスデザイン事例:「トヨタコネクティッド株式会社」
オフィスにカフェスペースを設置して従業員の満足度と生産性を向上させよう
オフィスにカフェスペースを設置することは、単なる休憩場所の提供に留まりません。
従業員同士の自然な交流を促し、新しいアイデアが生まれるきっかけを作ることで、働く環境そのものを豊かにできます。
働き方や文化に合わせたカフェスペースの導入は、従業員の満足度向上だけでなく企業イメージの向上にもつながるでしょう。
「workkit」は、オフィス、スクール、商業施設など、人が集まる空間の企画からデザインおよび施工までを手がける空間デザイン会社です。
本記事でご紹介した事例以外にも、オフィス内のカフェスペース導入実績があるため、カフェスペースの導入を検討している企業は、ぜひworkkitまでお気軽にお問い合わせください。