オフィスを緑化したい!得られる効果や適切な植物の特徴を解説

オフィスづくりのコツ
エントランスから見える植栽

近年、オフィスに植物を取り入れる企業が増えています。緑豊かな空間は見た目の美しさだけでなく、従業員の心身に好影響を与え、生産性向上にもつながるといわれています。

しかし、具体的にどのような効果があるのか、どんな植物を選べばよいのか、悩まれている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、オフィス緑化で得られる効果や適切な植物の特徴、配置方法、導入時のポイントを詳しく解説します。

オフィスを緑化すると得られる効果

オフィスに植物を取り入れることで、従業員の心身にさまざまなよい影響をもたらします。単なる装飾としてではなく、働く人の健康や生産性を高める空間戦略として、緑化は注目されています。

ここでは、オフィス緑化によって得られる主な効果を科学的根拠とともに解説します。

ストレスの軽減

植物が視界に入ることで、人はリラックス効果を得られます。これは、緑色を見ることで脳がアルファ波を発生させ、心拍が安定し、筋肉の緊張が和らぐためです。

豊橋技術科学大学の研究では、植物を配置した環境で、唾液アミラーゼや心拍数といったストレス関連指標が改善し、ストレス反応の軽減が示されています。

オフィスという空間は、締め切りや人間関係などさまざまなストレス要因があります。そうした環境に植物を配置することで、従業員は自然と心を落ち着かせることができ、過度な緊張状態から解放されやすくなります。

休憩スペースやデスク周辺に緑を取り入れることで、日常的にストレス軽減効果を得られるでしょう。

出典:「植物の化学物質除去の実際、ならびに観葉植物が人間の知的生産性に及ぼす影響」

目の疲労軽減

長時間のパソコン作業は、目に大きな負担をかけます。画面を見続けることで目の筋肉が緊張し、ドライアイや眼精疲労を引き起こします。

緑色は、可視光線の中で中間的な波長を持つ色であり、目の網膜に負担をかけにくい特性があります。そのため、緑色の植物を見ることで、目の筋肉がリラックスし、疲労が和らぐとされています。

さらに、植物は蒸散作用によって周囲の湿度を調整します。空調によって乾燥しがちなオフィス環境において、植物が適度な湿度を保つことで、ドライアイの予防にもつながります。

定期的に植物に視線を向ける習慣をつけることで、目の疲れを軽減し、作業効率の低下を防ぐことができるでしょう。

環境の改善

植物には、空気を浄化する機能があります。光合成によって二酸化炭素を吸収し、酸素を放出するだけでなく、ホルムアルデヒドやベンゼンといった有害物質を吸着・分解する働きも持っています。

また、植物の蒸散作用によって室内の湿度が適度に保たれることで、乾燥による肌荒れや喉の不調を防ぐ効果も期待できます。快適な湿度環境は、従業員の健康維持にもつながるでしょう。

千葉大学の研究では、観葉植物がシックハウス症候群の予防に加えて、休息時のリラックス状態を高める可能性が示されています。これは、植物には室内の揮発性有機化合物(VOC等)を低減させる効果があるためです。

この空気清浄効果は本物の植物、つまりリアルグリーン特有のメリットです。フェイクグリーンには光合成や蒸散作用がないため、空気浄化や湿度調整の効果は期待できません。
環境改善を目的とする場合は、リアルグリーンを選ぶことが重要です。

出典:千葉大学 「住まいの空気環境の向上による健康増進効果を実証
化学物質濃度の低減は休息時のリラックス効果を高める」

生産性の向上

オフィス緑化は、従業員の生産性向上にも寄与します。

英国エクセター大学の研究によれば、植物のあるオフィスで働く従業員は、幸福度が47%、創造性が45%向上するという結果が出ています。また、実際のオフィスを用いた別の調査では、生産性が15%向上したことも報告されています。

さらに、国内の屋内緑化推進協議会の「屋内緑化レポート2025/March.Vol-2」では、作業効率が約7.9%改善されたという報告もありました。

これは、植物によるストレス軽減やリラックス効果が、集中力や創造的思考を促進するためと考えられます。適度にリラックスした状態では、柔軟な発想が生まれやすく、問題解決能力も高まります。

緑視率(視界に占める緑の割合)を目的に応じて調整することで、集中が必要なエリアでは低め、リフレッシュエリアでは高めに設定するなど、空間ごとに最適な環境を作ることができます。

出典:英国エクセター大学「オフィスの植物は職場の幸福感を高める」

出典:英国エクセター大学「オフィスに植物があると生産性が向上する理由」

出典:屋内緑化推進協議会「屋内緑化レポート2025/March.Vol-2」

企業イメージの向上

オフィスに植物を配置することは、企業のブランディングにもつながります。

緑豊かなオフィスは、来客者に対して「環境に配慮している」「従業員の健康を大切にしている」という印象を与えます。SDGsやウェルビーイング経営が重視される現代において、こうした姿勢は企業の信頼性を高める要素となります。

また、求職者にとっても、働きやすい環境が整っていることは大きな魅力です。
採用活動において、オフィス環境は重要な判断材料のひとつとされています。緑化されたオフィスは「従業員を大切にする企業」というメッセージを発信し、優秀な人材の獲得にもつながるでしょう。

さらに、緑化は社内のコミュニケーション活性化にも役立ちます。植物の手入れを通じて従業員同士が交流する機会が生まれ、チームワークの向上にも寄与します。

オフィスの緑化に適切な植物の特徴

オフィスは一般的な住宅とは異なり、日照時間が限られていたり、空調が常に稼働していたりと、植物にとって厳しい環境です。そのため、オフィス緑化には管理の手間が少なく、環境変化に強い植物を選ぶことが重要です。

ここでは、オフィスに適した植物の特徴を具体例とともに解説します。

<h3>葉が落ちにくい</h3>
オフィスで植物を管理する際、頻繁に葉が落ちると清掃の負担が増えてしまいます。とくに執務スペースやエントランスなど、清潔さが求められる場所では、葉が落ちにくい品種を選ぶことが理想的です。

代表的なものとして、パキラやゴムの木(ベンガレンシス、ウンベラータなど)が挙げられます。これらは葉が厚くしっかりしており、多少の環境変化では葉を落としません。また、モンステラやドラセナも比較的丈夫で、管理しやすい品種です。

清掃の手間を最小限に抑えることで、緑化を継続しやすくなります。植物の選定時には、見た目の美しさだけでなく、管理のしやすさも考慮しましょう。

水やりの回数が少なくて済む

オフィスでは、毎日の水やりが難しい場合があります。とくに週末や長期休暇中は、水やりができない期間が生じることもあります。そのため、乾燥に強く、低頻度の水やりで育つ植物を選ぶことが重要です。

たとえば、サンスベリアは乾燥に非常に強く、2週間程度水やりをしなくても枯れる心配がほとんどありません。また、ポニーテール(トックリラン)は幹に水を蓄える性質があり、水やりの頻度を減らすことができます。

ほかにも、アロエやガジュマルなど、多肉質の組織を持つ植物は水やり頻度が少なくて済むため、忙しいオフィス環境に適しています。

水やりの手間を減らすことで、緑化の運用負荷を下げることができます。植物選びの際には、管理担当者の負担も考慮するとよいでしょう。

日陰でも育てやすい

オフィスは窓際以外のスペースが多く、日照条件が十分でない場所も少なくありません。そこで重要になるのが「耐陰性(たいいんせい)」を備えた植物の選定です。耐陰性とは、日光が少ない環境でも育つ能力のことを指します。

ポトスは耐陰性が高く、蛍光灯の光だけでも十分に成長します。また、モンステラやシェフレラ(カポック)も日陰に強く、オフィス環境に適しています。

さらに、アグラオネマやスパティフィラムといった植物も、窓から離れた場所でも元気に育つため、デスク周辺や会議室など、日光が届きにくい場所にも配置できます。

日陰でも育つ植物を選ぶことで、オフィス全体に緑を配置することが可能になります。場所を選ばず緑化できることは、空間デザインの幅をよりいっそう広げることにもつながるでしょう。

成長しても大きくなりにくい

オフィスではスペースに限りがあるため、成長が緩やかで、大きくなりすぎない植物を選ぶことが望ましいです。とくに卓上や棚の上に置く場合は、コンパクトな品種が適しています。

ペペロミアは成長が遅く、小型のまま長く楽しめる植物です。また、サボテン類も成長がゆっくりで、狭いスペースにも適しています。テーブルヤシやパキラの小型品種も、成長を抑えやすく、デスク周辺に配置しやすいでしょう。

成長が緩やかな植物を選ぶことで、頻繁な植え替えや剪定の手間を省くことができます。限られたスペースを有効活用しながら、長期間にわたって緑を楽しむことができるでしょう。

オフィス内での植物の配置方法

植物をどのように配置するかによって、オフィスの印象や機能性は大きく変わります。床に置くだけでなく、壁や天井、パーティションなど、さまざまな方法で植物を取り入れることができます。

ここでは、オフィス内での植物の配置方法とそれぞれのメリットを解説します。

鉢植えを床に置く

最も手軽な方法が、鉢植えを床に置くスタイルです。
たとえば、シンボルツリーとして大型の観葉植物をエントランスや受付に配置することで、来客者に好印象を与えることができます。

また、会議室の角や休憩スペースなど、動線を妨げない場所に置くことで、視覚的なアクセントを加えることができます。

床置きのメリットは、設置が簡単で移動も容易な点です。季節やレイアウト変更に応じて、柔軟に配置を変えることができます。ただし、通路や動線上に置くと邪魔になる可能性があるため、設置場所は慎重に選ぶ必要があります。

上から吊るす・壁に飾る

ハンギングプランターを使って植物を天井から吊るしたり、壁面に飾ったりする方法もあります。ポトスやアイビーといった、つる性の植物はハンギングに適しています。

この方法のメリットは、床面積を占有せずに緑を取り入れられることです。天井や壁を活用することで、3次元的に緑視率を高め、開放感を演出できます。
また、壁面緑化パネルを使えば、大きな壁面に一面の緑を作ることも可能です。視線を上に誘導することで、空間を広く見せる効果も期待できます。

天井や壁を活用することで、限られたスペースを有効に使いながら、豊かな緑の空間を実現できるでしょう。

空間を仕切る

背の高い植物やプランターを並べることで、空間を緩やかに仕切ることができます。オープンオフィスにおいて、プライバシーを保ちながら圧迫感を与えずに空間を分けたい場合に有効です。

たとえば、フリーアドレスのワークスペースと休憩スペースの間に植物を配置することで、視覚的な境界を作ることができます。壁やパネルで完全に仕切るよりも、植物を使うことで柔らかく自然な印象を与えることができます。

緩やかな仕切りとして植物を活用することで、空間に変化をつけながら、開放感も保つことができるでしょう。

パーティションに組み込む

家具一体型のプランターやパーティションに植物を組み込むことで、省スペースかつスタイリッシュに、機能性とデザイン性を両立させた緑化が可能です。

たとえば、デスク間の仕切りとして植物付きパーティションを設置することで、個々の作業スペースを確保しながら、自然の癒しを感じられる環境を作ることができます。

また、オフィス家具メーカーが提供する植物一体型の家具を活用すれば、統一感のある洗練された空間を実現できます。

workkit by HITOBA DESIGNが手がける空間デザインでは、こうした家具と植物を組み合わせた提案も行っています。

workkit by HITOBA DESIGNでは、オフィス内装を設計から施工まで一貫で対応し、見た目や機能面だけでなく経営課題を解決できる空間づくりをご提案しています。
お困りの際はぜひお問い合わせください。

オフィスを緑化する際のポイント

オフィス緑化を成功させるためには、計画的に進めることが重要です。

予算や担当者の決定、設置場所の選定、植物の選択、そして日々のメンテナンスまで、押さえるべきポイントがあります。

ここでは、緑化導入時に注意すべき具体的なポイントを解説します。

予算を決める

オフィス緑化には、初期費用だけでなくランニングコストも発生します。植物本体や鉢の購入費用のほか、肥料、薬剤、植え替え用の土、水やり用具など、継続的に必要となる費用を見込んでおく必要があります。

また、専門業者に管理を委託する場合は、月額のメンテナンス費用も考慮しなければなりません。定期的な植物の交換や健康チェック、害虫駆除などを含めたサービスを利用することで、手間を省きながら美しい状態を保つことができます。

予算を明確にすることで、無理のない範囲で緑化を継続できます。初期費用だけでなく、長期的な運用コストも含めた計画を立てるとよいでしょう。

担当者を決める

植物の管理を誰が行うかを明確にすることが重要です。担当者が決まっていないと、水やりや手入れが後回しになり、植物が枯れてしまう原因となります。

社内で「園芸部」のような活動を立ち上げ、従業員同士のコミュニケーションを促す取り組みも有効です。植物の手入れを通じて、部署を越えた交流が生まれることもあります。

一方で、セキュリティや衛生管理の観点から、専門業者に外部委託する選択肢もあります。担当者を明確にし、役割分担をすることで、緑化を長期的に維持できる体制を整えることができるでしょう。

設置場所を決める

植物を配置する場所は、日当たりや空調の影響を考慮して選ぶ必要があります。とくにエアコンの風が直接当たる場所は、乾燥によって植物が枯れる原因となるため避けましょう。

また、大型の植物を導入する場合は、設置場所だけでなく搬入経路や通路幅の確認も欠かせません。事前に動線をチェックし、植物が成長した際にも通路や作業スペースを妨げないよう配慮することが重要です。

現地の状況を正しく把握し、適切な場所を選定することで、植物が健やかに育つ環境を整えることができます。

配置する植物を選ぶ

設置場所の環境に応じて、適切な植物を選ぶことが重要です。日当たりのよい場所にはリアルグリーンを、日陰や衛生面を重視する場所にはフェイクグリーンを配置するなど、使い分けを検討しましょう。

リアルグリーンは空気清浄効果や湿度調整といったメリットがありますが、管理の手間がかかります。

一方、フェイクグリーンは手入れ不要で、どのような環境にも設置できますが、空気浄化などの効果は期待できません。それぞれの特性を理解し、目的に応じて選択することが大切です。

植物選びの際には、管理のしやすさや環境適性を考慮し、無理なく続けられる品種を選ぶとよいでしょう。

日々メンテナンスを行う

植物を健康に保つためには、日々のメンテナンスが欠かせません。水やりだけでなく、葉のホコリ拭き、剪定、病害虫チェックなど、定期的な手入れが必要です。

水やりのルールを明確にし、当番制を導入することで、担当者が不在の際も対応できる体制を整えましょう。

また、葉にホコリが溜まると光合成が妨げられるため、定期的に拭き取ることが大切です。さらに、害虫が発生した際には、早期に対処することで被害を最小限に抑えることができます。

メンテナンスのルールを社内で共有し、誰もが対応できる仕組みを作ることで、緑化を継続的に維持できるでしょう。

まとめ

オフィス緑化は、単におしゃれな空間を作るだけでなく、従業員の心身の健康や生産性向上、企業イメージの向上など、さまざまなメリットをもたらします。
ストレス軽減・目の疲労軽減・空気清浄といった効果は、科学的にも裏付けられており、働く人にとって快適な環境を実現する手段として注目されています。

株式会社ヒトバデザインが提供するworkkit by HITOBA DESIGNでは、オフィス緑化を含めた空間デザインをトータルでサポートしています。
社内外の豊富な経験を持つデザイナーに加え、外部のクリエイターやアーティストとも積極的にコラボレーションを行うことで、多角的な視点から最適なプランを導き出します。

お客さまの理想に寄り添いながら「つい集まりたくなる、心地よい空間」を形にします。
オフィス環境の改善や、緑を取り入れた新たな空間づくりをお考えの際は、ぜひお気軽にご相談ください。