オフィスセキュリティとは?対策法やゾーニングのポイントを解説

オフィス環境改善

オフィスセキュリティとは、空間セキュリティと情報セキュリティをあらかじめ織り込んで、オフィスの安全性を高める対策の総称です。
情報漏洩や不正侵入、および社員や資産の安全確保は経営者が無視できない課題で、企業はオフィスセキュリティの強化に取り組む必要がありますが、方法が多岐にわたり、具体的に何をすればよいのかと戸惑う方も少なくありません。

そこで本記事では、オフィスセキュリティの基本概念から具体的な対策法、ゾーニングのポイントまでわかりやすく解説します。
自社のセキュリティを強化し、信頼性を高めたい方はぜひ参考にしてください。

オフィスセキュリティとは?

オフィスセキュリティとは、企業の情報資産や設備、社員の安全を守るために行う総合的な防御対策を指します。
対策は「空間セキュリティ」と「情報セキュリティ」の2つに大別され、それぞれの目的は下表の通りです。

多くの企業で情報セキュリティ対策が進んでいる一方、空間セキュリティ対策は見落とされがちな傾向にあります。
両方の視点で適切な対策を講じることで、事故やトラブルの発生リスクを抑え、安全で信頼性の高いオフィス環境を構築できるでしょう。

オフィスセキュリティが重要な3つの理由

本章では、オフィスセキュリティを強化することで得られる3つのメリットをご紹介します。
企業や社員を守るうえで重要な取り組みとなるため、それぞれを正しく理解しておきましょう。

1. 情報漏洩を防ぐ

企業は、顧客情報や社員の個人情報、業務上のノウハウなど多くの機密情報を扱っています。
そのため、情報漏洩を防ぐことは最重要課題です。
情報が外部に漏れれば、取引先や顧客からの信用を失うだけでなく、損害賠償や業務停止などにつながる可能性があります。
 
また、情報漏洩は外部からのサイバー攻撃だけでなく、内部の不注意や意図的な持ち出しで発生するケースも少なくありません。
情報漏洩を防ぐためには、アクセス権限の適正化やデータの暗号化、社内ネットワークの監視体制を整えることが有効です。
これらの基本的な対策を徹底することで、安全な情報管理体制を構築しやすくなるでしょう。

2. 社員の安全を確保する

オフィスセキュリティは、社員の安全を守るうえでも欠かせない取り組みです。
対策が不十分なオフィスには不審者が侵入しやすくなり、社員への危害やトラブルにつながる可能性があります。
 
また、窃盗目的の侵入者が逃走する際に社員が巻き込まれ、怪我をするケースも想定されます。
入退室管理や防犯カメラの設置などの物理的な対策を講じることで、不審者の侵入を未然に防ぎ、社員が安心して働ける環境を整備できるでしょう。

3. オフィスの資産を守る

オフィスセキュリティは、企業が保有するさまざまな資産を守るうえでも重要です。
オフィス内には、現金・小切手・パソコン・重要書類など、金銭的価値のあるものが多く保管されています。
対策が不十分な状態では、不審者による窃盗や破損といったリスクが高まってしまうでしょう。
 
入退室管理やゾーニングなどの空間セキュリティを強化することで、不審者侵入のリスクを大幅に低減できます。
さらに、重要なデータを保管するエリアを限定することで機密情報の漏洩も防ぎ、企業の信用を守ることにもつながるでしょう。

3. オフィスセキュリティに取り入れたい主な対策・設備

オフィスセキュリティの効果を高めるには、目的に応じて複数の対策や設備を適切に組み合わせることが重要です。
防犯カメラや入退室管理システムは、不審者の侵入を抑止して社員の安全を確保するうえで欠かせません。
また、機密情報を扱うオフィスでは、シュレッダーや鍵付き収納や金庫などの活用で書類や貴重品の管理精度を高められます。
 
さらに、サウンドマスキングやパーティションの導入で音の漏洩や視線を防ぎ、情報セキュリティの強化にもつながります。
自社の業務内容やリスクに合わせて必要な設備を選定して複数の対策を併用することで、空間セキュリティと情報セキュリティの両面から安全なオフィス環境を構築できるでしょう。

オフィスセキュリティを計画・導入する手順

続いては、オフィスセキュリティを計画・導入する際の基本的な流れを解説します。
現状把握からゾーニング、システム選定、運用ルール策定までのステップを押さえることで、自社に合ったセキュリティ体制を無理なく構築・運用できるようになるでしょう。

1. 情報資産の把握

オフィスセキュリティを効果的に導入するには、まず自社が保有する「情報資産」を正確に把握することが重要です。
情報資産には、紙の書類や電子データはもちろんのこと、パソコン・サーバー・外部ストレージなどの機器類、顧客情報や技術情報といった機密性の高いデータも含まれます。
 
これらをリストアップして「どこに保管されているのか」「誰がアクセスできるのか」「漏洩や紛失が起きた場合の影響はどの程度か」といった観点で整理することによって、リスクの大きい領域を明確にできます。
 
情報資産の重要度と課題を可視化できれば、その後のゾーニング設計やシステム選定を無理なく進められ、より効果的なオフィスセキュリティの構築につながるでしょう。

2. 現状の課題と対応策の検討

情報資産を把握したあとは、それらが現在どのように管理されているかを確認し、改善すべき課題を明確にすることが重要です。
 
たとえば、顧客情報などの重要データに全社員が自由にアクセスできる状態では、誤って外部へ送信してしまったり、持ち出されてしまったりするリスクが高まります。
アクセスできるメンバーを限定し、適切な権限設定を行うことで漏洩リスクを抑えられるでしょう。
 
また、紙資料を保管するキャビネットに鍵がない場合や、所在が容易に分かる状態で管理している場合も注意が必要です。
権限を与えられた人だけが取り出せる仕組みを整えることで、機密情報の持ち出しを防ぎ、管理体制を強化できます。

3. ゾーニングの検討

ゾーニングとは、オフィス内の空間を用途ごとに区分し、適切に配置していく設計手法のことです。
セキュリティを考慮したゾーニングを行うことで機密エリアへの動線を遮断し、情報漏洩やトラブルのリスクを抑えやすくなります。
ただし、動線を過度に制限すると働きにくい環境につながるおそれがあるため、業務効率とのバランスを考慮することも大切です。
 
スペースごとの役割を明確にし、その結果をもとにレイアウトや必要なセキュリティシステムやツールを検討しましょう。
レイアウトを固めたあとは大幅な変更が難しくなるため、計画段階からの丁寧なゾーニングが、安全で使いやすいオフィス環境を実現するポイントです。

4. セキュリティシステムやツールの選定

セキュリティシステムやツールを選定する際は、オフィスの目的やリスクに適した対策を講じられるかどうかを見極めることが重要です。
セキュリティシステムやツールには入退室管理や防犯カメラなど多様な種類があり、複数を組み合わせることでより高い効果が期待できます。
 
また、導入後の運用方法について検討することも大切です。
ただ導入するだけでは十分な効果が得られないため「具体的にどのようなリスクを防げるのか」「コストに見合う効果が得られるのか」「どのように運用するのか」などを総合的に確認して選定しましょう。

5. 運用ルールを定め組織で共有する

導入したセキュリティシステムやツールの効果を最大限に生かすには、明確な運用ルールを定めることが重要です。
たとえば、防犯カメラを設置する場合は、映像の確認方法や担当者、保管方法などをあらかじめ決めておく必要があります。
 
また、情報の扱い方やアクセス管理の方針をマニュアル化し、研修や定期的な教育で社員に浸透させることも欠かせません。
ルールと運用方法を明確にすることで、組織全体のセキュリティ意識が高まり、より安全なオフィス環境を構築しやすくなるでしょう。

オフィスセキュリティで押さえたい具体的な対策

オフィスセキュリティを導入するには「人的対策」「情報セキュリティ対策」「物理的対策」の3つを適切に実施することが大切です。
本章では、それぞれの具体的な対策をご紹介します。

1. 人的対策

人的対策とは、社員の意識や行動、社内ルールの徹底により、情報漏洩や不正行為を防ぐための取り組みです。
企業と従業員の間で守秘義務契約を結ぶほか、情報の利用・保管・廃棄方法を明確にして日常的に適切な管理を行う体制を整え、定期的なセキュリティ教育で社員一人ひとりが正しい知識と判断力を身につけることも重要です。
 
人的対策を講じることで、被害の発生率を下げるだけではなく、トラブル発生時の責任の所在も明らかにしやすくなるでしょう。

2. 物理的対策

物理的対策とは、外部からの不正侵入や情報の持ち出しを防ぐために、オフィスの設備や環境を整える取り組みです。
主な対策としては、防犯カメラの設置や警備員の配置、スマートロックを活用した入退室管理などが挙げられます。
 
また、災害時の被害を最小限に抑えるために、備蓄や耐震対策を講じることも重要です。
あわせて、ビル共用部にどのようなセキュリティ設備が導入されているかを事前に確認しておくことで、より安全な環境を確保しやすくなるでしょう。

3. 情報セキュリティ対策

情報セキュリティ対策とは、パソコンやネットワーク、システム上の情報を不正アクセスや漏洩から守るための技術的な対策です。
外部からのウイルス侵入やサイバー攻撃を防ぐには、ウイルス対策ソフトやファイアウォールの導入が欠かせません。
アクセス制限ツールや侵入検知システムの併用で、不審なアクセスの検知や被害拡大を防ぐための対応も行いやすくなります。
 
また、オフィス移転時はネットワーク構成やIT機器の設定が大きく変わるため、情報セキュリティ対策を見直す絶好の機会です。
現状の機器やシステムに加え、新しい脅威にも対応できる環境を整備しておくとよいでしょう。

オフィスセキュリティにおけるゾーニングの重要性

次に、オフィスセキュリティ対策を行ううえで重要なゾーニングについて、詳しく解説します。

1. ゾーニングの具体例

ゾーニングとは、オフィス内のエリアを用途に応じて区分し、適切なセキュリティレベルを設定することです。
セキュリティレベルが異なるエリアの境界に扉やパーティションなどの仕切りを設けることで、不正侵入や情報漏洩のリスクを効果的に低減できます。
 
一般的には「パブリックゾーン」「共有ゾーン」「ワークゾーン」「機密ゾーン」の4段階に分類され、ゾーンが進むほどセキュリティレベルが高まります。
各ゾーンの該当箇所やセキュリティ対策は、下表の通りです。

2. ゾーニングのポイント

ゾーニングを行う際は、各ゾーンの用途を明確にすることが重要です。
用途に応じたセキュリティレベルを設定することで、各エリアにおける情報漏洩や不正侵入のリスクを効果的に抑えられます。
 
さらに、業務効率を損なわない動線になっていることの確認も欠かせません。
用途や動線を考慮したゾーニングは、安全で働きやすいオフィス環境を構築するうえでのポイントとなるでしょう。

3. ゾーニングの注意点

ゾーニングを行う際は、事前に十分な検討を行うことが重要です。
 
ゾーニングについてしっかりと検討せずにセキュリティシステムやツールを導入すると、使い勝手や業務効率が低下したり、運用がうまくいかなくなったりする場合があります。
導入後に不備や問題に気付くと、追加対策により余分なコストが発生することもあるでしょう。
 
また、パーティションを設置する際は、建築基準法や消防法などの法令に違反していないことの確認をすることも大切です。
法令遵守と業務効率、安全性のバランスを意識してゾーニングを行うことで、より効果的で安全なオフィス環境を構築できます。

workkitではオフィスセキュリティの導入やサポートも可能

workkitは、オフィスや商業施設など、人が集まる空間の企画・デザイン・施工を手掛ける空間デザイン会社です。
オフィスセキュリティの導入や運用サポートも行っており、用途や業務内容に応じた最適なセキュリティ環境の構築が可能です。
 
自社オフィスの安全性を高めたいとお考えの企業には、設計段階から導入後の運用まで一貫してサポートいたします。
セキュリティ強化を検討している場合は、お気軽にworkkitへお問い合わせください。
 
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オフィスセキュリティを強化して企業の信頼性を高めよう

オフィスセキュリティの強化は、社員や企業が保有する情報資産を守るための重要な対策です。
対策には人的対策・物理的対策・情報セキュリティ対策など多様な方法があり、目的やリスクに応じて適切な手段を選ぶことが求められます。
 
さらに、導入するセキュリティシステムやツールは、コストや運用方法も含めて総合的に検討することが大切です。
適切なオフィスセキュリティ対策を実施することで、情報漏洩や不正行為のリスクを低減できるだけでなく、取引先や社員からの信頼性も向上するでしょう。