ハイブリッドワーカーが働きやすいオフィスのデスクレイアウトとは?

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ハイブリッドワーカーが働きやすいオフィスのデスクレイアウトとは?

テレワーク・リモートワークとオフィスへの出社を両立する「ハイブリッドワーク」という働き方が増えてきました。働き方の変化にともない、従来型のデスクレイアウトではムダが多く働きにくいと感じていませんか?出社していない人の空き席を、有効に活用できていないのが現状ではないでしょうか。また、テレワーク・リモートワークでの不在か、外出中かの判断がつきにくいなど、混乱するケースも見受けられます。

快適で効率のよいデスクレイアウトは、働き方や業務内容によっても異なります。そこで本記事では、さまざまなニーズにあわせたオフィスデザインを手掛けるworkkitが、オフィスのデスクレイアウトの種類や働きやすいオフィスに必要な要素をご紹介します。快適なオフィス空間を実現するためのアイデアを、見つけてくださいね。

働きやすいオフィスとは?

そもそも働きやすいオフィスとは、どのようなものでしょうか。例えば、次の要素が挙げられます。

● 業務に集中できる
● 適度にリフレッシュできる
● 動線計画がきちんとされている
● 整理整頓ができている
● 設備がととのっている
● コミュニケーションが取りやすい

テレワーク・リモートワークの導入にともない、直接顔をあわせての会話や打ち合わせが減りました。チャットツールやオンライン会議などで、コミュニケーションを取って仕事を進めるケースも多いでしょう。便利な方法ですが、声色や表情が汲み取れずに誤解を生みやすい側面もあります。
コミュニケーション不足に限らず、「必要な書類や道具が見つからない」「レスポンスが遅い」などの小さなストレスはイライラを引き起こします。それらのストレスが重なれば、大きなミスやメンタルの不調につながります。そういった小さなストレス要因が少ない環境が、働きやすいオフィスといえるのではないでしょうか。

固定席とフリーアドレス制

オフィスのデスクレイアウトでは、まず「固定席」か「フリーアドレス制」かの違いが重要です。これまでは、決まった席で終日仕事をする固定席が当たり前でした。空き席を複数人で利用するフリーアドレス制は、もともとは営業職など外出の多い社員が、社内にいるときに共有で使うパターンが多かったようです。しかしハイブリッドワーク(交代出社)を取り入れる企業も増え、使わない席を有効に活用するために、これまで以上に普及してきました。

フリーアドレスの導入で席数を減らし、オフィスそのものの面積を小さくすることで賃料を少なくできるメリットもあります。またオフィスレイアウトを変更しやすく、フレキシブルに空間を活用できるでしょう。しかし、フリーアドレス制にするためには、無線LANやモバイル端末の整備が必要なうえ、社員がどこにいるか把握しにくいなどのデメリットもあります。業務内容やチームの特性にあわせて、導入を検討してみてください。

オフィスレイアウトパターン

オフィスのデスクレイアウトはいろいろありますが、業務やチーム体制によって向き不向きがあります。ここではデスクレイアウトのパターンとそれぞれの特徴、またどういった働き方に向いているかについて解説します。

対向型

部署やチームごとで一つの島を作り、向い合わせに座るレイアウトです。従来型の配置で、多くの企業で採用されています。顔を向かい合わせて座るため、お互いの表情を確認しながら業務ができます。また隣席や向かいの席にいる人に対して声をかけやすく、コミュニケーションを取りやすいレイアウトです。人によっては、常に人の視線を感じて業務を行うことから、緊張感が生まれて疲れやすいといったデメリットもあります。

同行型

全員が一方向を向いて並列に座るレイアウトです。銀行の受付カウンターなど、来客対応がある仕事場でよくみられます。横並びになるため、両隣の人とは会話がしやすいですが、広いコミュニケーションは取りにくいでしょう。

背面型・壁向き型

壁面を向いている座り、集中して仕事に取り組みやすいレイアウトです。背中を向かい合わせに座るケースが多く、チーム内で話し合うときは机を挟まずに椅子を寄せ合って会話ができます。奥行きの浅いデスクの場合は圧迫感が出やすく、十分な広さを確保する必要があります。

フリースペース型

カフェのようなテーブルとチェア席やカウンター席など、誰でも使えるオープンエリアをデスクとして使うレイアウトです。部署を越えたコミュニケーションを取れる、気分転換を図りやすいなどのメリットがあります。

個室ブース型

オンライン会議や商談なども増えたことから、周囲の気配を感じないような個人ブースの需要も高まっています。まわりの気配や音を気にせず仕事に集中でき、作業効率があがるでしょう。しかし、コミュニケーションを取りにくいデメリットがあります。

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働きやすいオフィスに必要な要素

デスクレイアウトをするにあたり、机以外の要素との関わりも考えなくてはいけません。働きやすいオフィスには、スムーズに業務を進めるための設備や、整理整頓が行き届いているといった環境が必要です。

机と椅子の関係性

とくに事務職など、長時間同じ姿勢で仕事をする場合は、からだへの負担が少ない机と椅子を使用することが大切です。背骨が自然なS字カーブを描くようにサポートできる椅子など、正しい姿勢を維持できる家具を使ってください。立ったまま作業できるスタンディングデスクの活用もおすすめです。

照明計画

手元が暗くならないように、机上に均一な光が届くような照明計画もしっかりとしましょう。作業面に陰影ができると、目に負担がかかりストレスが大きくなります。自然光は心地よく、メンタル面によい作用をもたらします。しかし、1日のうちで光の向きや量が変わり、仕事をするうえでは、落ち着かないケースも考えられます。カーテンなどで光のコントロールをしてください。

動線計画

ペーパーレス化が進んでいるとはいえ、コピー機を利用する場合も多いでしょう。携わっている業務内容によっては、それらの機械や書類棚を頻繁に利用するケースも考えられます。移動時の動線に無理・無駄がないように、また座席後方に人が通るときには座っている人にぶつからないように十分な広さをとるといった、動線・レイアウト計画を事前にしっかりしてください。

気持ちの切り替えができる環境

大人が一度に集中して仕事に取り組める時間は、最大でも50分から90分程度ではないでしょうか。目や肩・腰など、からだへの負担を考慮して、適度に休憩しましょう。リフレッシュすることは、効率よく仕事をすすめるためにも重要です。小休憩は自分のデスクでも可能ですが、デスクを離れた場所で思い切って気持ちを切り替えるとより効果的です。

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【事例紹介】デスクレイアウトが特徴的なオフィス3選

workkitでは、デスクレイアウトを意識したオフィスデザインを多数手がけてきました。特徴的な事例をご紹介します。

ダノンジャパン株式会社 Tatebayashi

ダノンジャパン株式会社 Tatebayashi
ダノンジャパン株式会社 Tatebayashi

メインのオフィススペースは大きなテーブルに向かい合って座る「対向型」の島と、背中合わせで座る個人ブースを組み合わせています。テレワーク・リモートワークと併用した出社体制をとるようになり、オフィスの使い分けや社員同士のコミュニケーションを促す場所をつくりました。カジュアルな見た目ながら機能性の高いチェアを採用するなど、社員のからだへの負担にも配慮しています。

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株式会社NTTデータ Toyosu Office

株式会社NTTデータ Toyosu Office
株式会社NTTデータ Toyosu Office

台形型のデスクを組みあわせて、オフィスをフレキシブルに活用している事例です。カウンターやソファのあるラウンジや間仕切りがあるブースなどでは、グループワークやセミナーなどさまざまな働き方に対応できる自由な設計になっています。

→事例の詳細はこちら

株式会社JMC Yokohama Office

株式会社JMC Yokohama Office
株式会社JMC Yokohama Office

社内外の勉強会が多い業務の特性から、エントランスとショールーム機能を備えたラボスペースまでの動線をスムーズにしています。木とレザーの2種類のスツールは、それぞれに座ることもできますが、使わないときは重ねて収納し、スペースを広く活用できます。シーンにあわせて、オフィスレイアウトを可変して便利に利用できるでしょう。

→事例の詳細はこちら

デスクレイアウトを工夫して快適なオフィスに

働き方に対する考え方は、近年大きく変化しています。テレワーク・リモートワークも普及し、オンオフの区別がつけにくくなってきた背景もあり、オフィスに求められている環境も変化しました。ただ作業をする場所ではなく、人生を豊かにするための空間として、デスクレイアウトや周辺環境をデザインしましょう。