時間や場所にとらわれない働き方がワーカーのあたり前になってきました。オフィスにいると、緊張が続いて疲れる方もいるのではないでしょうか。作業効率をあげるためにも、適度に休息をとり、気持ちを切り替えられる場所があるとよいですよね。
働き方の多様化にともない、オフィスに「休憩スペース」を設ける企業は増えています。休憩スペースは、従業員同士のコミュニケーションの場として機能する側面もあり、今後ますますオフィスデザインにおける重要なポイントとなるでしょう。
本記事では、数多くのオフィスデザインを手掛けてきたWORK KITが、休憩スペースのメリット・デメリットや、心地よい休憩スペースを作るためのヒントをご紹介します。オフィスに休憩スペースを取り入れて、心地よく仕事に取り組める環境を叶えてください。
オフィスに休憩スペースがあると、どのようなメリットが生まれるのでしょうか。
大人の集中力が続く時間は諸説ありますが、50分から90分程度が限界ではないでしょうか。適度に休憩をとれば疲労が回復し、また集中して作業に取り掛かれるようになります。食事や仮眠をとるための休憩スペースがあれば、しっかりと気持ちの切り替えができるでしょう。
テレワーク・リモートワークを行う企業も増え、同じチームでも顔を合わせて話をする機会が減っている方もいるでしょう。オンラインでの仕事は便利な側面がある一方で、コミュニケーション不足を感じる声がよく聞かれます。休憩スペースやフリースペースを設けると、社内のさまざまな部署の人と顔を合わせ、話をする機会が増えコミュニケーションが活発になります。
アイデアは、リラックスした環境で生まれやすいといわれます。散歩中や公園などの心地よい屋外、ベッド・お風呂・トイレなどの緊張から解放された場所で、ひらめいた経験がある方もいるのではないでしょうか。クリエイティブな仕事の方や営業戦略や効率よい事務処理方法を検討するときなど、休憩スペースでくつろぎながら思索してみるのもよいかもしれません。
オフィスデザインは、企業がどういう理念で事業を行っているかを見る判断基準の一つです。休憩スペースは来訪者との打ち合わせなどで、社外の人が出入りする場を兼ねているケースもあります。洗練されたオフィスデザインができていれば、対外的な印象もあがるでしょう。
休憩スペースにはメリットがある一方で、注意しなければいけない点もあります。
適度な休憩は大切ですが、場合によっては仕事場を離れてダラダラとしてしまう可能性も否めません。仕事と休息の線引きをしっかりして、不必要な利用を控えるように管理する必用があります。業種や部署によって業務内容や性質が異なるため、特徴にあわせた運用方法を計画してください。
書籍やコーヒーサーバーなどを社員が共有して使う場合には、バックナンバーの管理や清掃などを誰かが行わなければいけません。飲食物があると、汚れやニオイが気になる場合もあります。あらかじめ誰が管理するか決める、当番制にするなどのルールを決めることをおすすめします。また利用者が節度を持って利用するように、社内で周知しましょう。
休憩スペースで仕事を行う方もいるでしょう。パソコンや書類を執務スペース以外に持ち出すときには、紛失などが起こる可能性があります。外部の人が出入りするなら、より情報漏洩の危険が高まります。リラックス用の場所専用であれば、パソコンは持ち込まないようにする、セキュリティがきちんとされた環境にするなどしてください。
では快適な休憩スペースを作るには、どのようなポイントに気をつけるとよいでしょうか。
気持ちの切り替えをするためには、いつもの仕事場を離れる必要があります。休んでいるときに、執務をしている人の姿が見える環境ではリラックスできないかもしれません。しかし、あまり離れすぎてしまうと、仕事に戻りにくくなります。昼食用・仮眠用など、30分から1時間程度休む場所であれば、あえてフロアや部屋を変えてもよいでしょう。小休憩スペースであれば、執務フロアの一部に間仕切りをつけて設けるなど、デスクとのアクセスがよいようにします。
休憩スペースを作る目的はさまざまです。食事をする場として使うなら、冷蔵庫や電子レンジ・電気ポットなどが必要ですし、小休憩でもコーヒーメーカーや自動販売機があると喜ばれるかもしれません。またくつろぐ場所にはソファを置き、食事や喫茶用ならテーブルと椅子があるとよいでしょう。
企業によっては、デスクワークの運動不足改善のために、運動できるマシンや場所がほしいという声があがるケースもあります。従業員が必要としているものを聞いて、休憩スペースの設計に取り入れると満足度も高まります。
くつろぐために休憩スペースに行っても、ソファや椅子の数が少なすぎると座れないかもしれません。食事をしようと思ったら、空きスペースがなくて困るなどの問題が発生することもあります。休憩スペースを設けるときは、従業員数や利用目的にあわせた広さを確保してください。
また休憩したいと考えていても、隣で仕事をしている人がいるとくつろげない可能性も考えられます。状況次第では休憩スペースと(仕事もできる)フリースペースは、別にするのがおすすめです。場所に余裕があるようなら、体調がよくないときや一人で考え事をしたいときに使える、プライベートゾーンも設けるとよいでしょう。
リラックスする環境には家具や設備だけでなく、心にうるおいを感じられる要素をプラスしてください。アートは感性を心地よく刺激し、殺風景になりがちなオフィスを彩ってくれます。またインテリアグリーンは目にやさしく、リラックス効果が生まれます。音楽や香りも空間を構成する大切な要素です。公園や森でのんびりしている気持ちになれるような、森の香りのアロマを焚いたり、自然音をBGMに流したりといった工夫をするとよいかもしれません。
WORK KITでは、快適な休憩スペースをふくめたオフィスデザインをたくさん行っています。ここでは素敵な休憩スペースを取り入れた事例を厳選してご紹介します。
テレワーク・リモートワークを推奨した働き方をしながらも、対面で得られるメリットを意識したオフィスデザイン。ベンチソファ・BOXソファ・カウンターなど、気分転換をしながら働ける環境を設けています。「ニューノーマルな働き方」の実現と定着が見える、これからのオフィスが実現されているでしょう。
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植物をたくさん取り入れたオフィスです。サーバー運用保守・システム設計など、神経の張り詰める業務が多い企業様だからこそ、自然のなかでリラックスできるような雰囲気が、働く人の心とからだをリラックスさせてくれます。植物が目隠しになり、お互いの気配は感じながらも、視線を気にせずに過ごせるため、緊張とリラックスのバランスがとてもよい環境になっています。
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ハイブリッドワークが定着したなかで、オフィスの意義を見直し再構築された空間。フロアごとに「伝達」「対話」「集中」と異なるテーマを持ちながらも、ナチュラルで落ち着けるスペースがつくられました。執務スペースと隣接し、くつろぎながら仕事にとりかかれるブースや、気持ちの切り替えをしっかりできるカフェのような休憩スペース。ワーカーが、それぞれの働き方にあわせて、能動的に動けるオフィスになっています。
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オフィスデザインをするうえで、業務効率や従業員の満足度アップは大切な要素になるでしょう。執務をするためのデスク周辺だけでなく、ときには肩の力をぬいてリラックスする場所もオフィスには必要です。魅力的な休憩スペースを設けて、働きやすいオフィスを実現させましょう。