オフィスのインテリアにカラーコーディネートを取り入れよう

WORK STYLE
オフィスのインテリアにカラーコーディネートを取り入れよう

オフィスに限らず、インテリアを考えるうえで切り離せないポイントに、カラーコーディネートがあります。自宅はくつろいで過ごす時間が多くなりますが、オフィスはあくまでも仕事に集中して取り組む場所です。オフィスのカラーコーディネートでは、どのような点に注意するとよいのでしょうか。

本記事では、色の持つ特徴やオフィスだからこそ取り入れたいカラーコーディネートのアイデアを紹介します。自宅・商業空間・オフィス、いずれもカラーコーディネートの基本的な考え方は同じですが、適材適所にバランスよく色を取り入れることが大切です。オフィスデザインにカラーコーディネートをうまく取り入れて、働く場所を彩りましょう。

インテリアにおけるカラーコーディネートの基本

インテリア空間には、内装材・家具・カーテンなどのさまざまな要素があり、人は多くの色情報に囲まれて生活をしています。色は心理状態にも作用するといわれ、生活空間のカラーコーディネートは、思考や行動にもつながります。しかし、やみくもに色を取り入れればよいわけではなく、バランスのよい調和が大切です。

インテリアのカラーバランスの基本

インテリアの基本となるカラーバランスは、次のとおりといわれています。

● ベースカラー:床・壁・天井など 70%
● メインカラー:家具・ラグ・カーテンなどのインテリアアイテム 25%
● アクセントカラー:小物など 5%

ベースカラーとメインカラーは調和のとれた近似色などでまとめると、バランスのよい空間になります。オフィスでは、集中して作業に取り組む執務スペースと積極的な意見交換をしたい会議室、リラックスするための休憩スペースなど、場所・場面によって求められる要素がかわります。カラーバランスの基本を意識しながら、適切に色の心理効果を取り入れてみましょう。

色による心理効果

前述のとおり、色は人の心に作用します。例えば赤は積極的な気持ちを生み、青は落ち着いた感情をもたらすといった効果です。ここでは色別の心理的効果と、オフィスでどのように取り入れるとよいかを解説します。

赤(レッド)
「赤」は、情熱やエネルギーの象徴とされる色です。高揚感をもたらし、積極的な気持ちになるため、会議室など意見交換の場に用いるとよいでしょう。

黄・橙(イエロー・オレンジ)
「イエロー」や「オレンジ」は、明るく楽しい気持ちになれる色です。前向きな感情を引き出してくれます。一方で、イエローには注意喚起を促す作用もあり、部屋全体に取り入れると混乱しやすくなります。執務スペースにアクセントとして加えてみてください。

緑(グリーン)
リラックス効果が高く、穏やかな気持ちになれる「緑」は、休憩スペースなどに使うと有効です。また執務スペースにも、観葉植物などを置くと精神的な安らぎを感じられます。

茶(ブラウン)
「茶」は、落ち着きのある雰囲気を演出してくれます。親しみやすい色なので、執務スペースだけでなく、休憩スペースなどにも向いています。ダークブラウンは重厚感もあり、堅実な印象をもたらす色のため、役員室や応接室で使うとよいでしょう。

青(ブルー)
集中力を高める効果があるとされる「青」は、単純作業をくりかえす職場や冷静さが必要な空間に取り入れてください。清潔感・清涼感のある色でもあり、気持ちを切り替えるための休憩スペースにもおすすめです。

オフィスに求められるカラーコーディネート

オフィスのカラーコーディネートは、場所や目的によって求められる要素が大きくかわります。そこで、オフィスだからこそ気を付けて考えたいポイントを解説します。

基本は色数を抑えて

基本的には複数の色を混在させないようにします。一つひとつの色に効果があっても、複数が重なると落ち着かない印象になり集中力を削がれます。ベースカラーとメインカラーは同系色でまとめるとよいでしょう。企業の特性として、ポップな色を多用するイメージがある場合でも、アクセントカラーとして小さな面積で多色使いするようにします。

場所や用途によって変化させる

執務スペースは、集中力が高まるように落ち着いた色でコーディネートしてください。ベースカラーは、白・アイボリー・ベージュなど刺激の少ない色がおすすめです。あるいは集中力を高める「青」を取り入れてもよいでしょう。休憩スペースでは、できるだけリラックスできるような工夫が必要です。緑・茶・ベージュなどの自然を感じるアースカラーを使い、木製のテーブルや観葉植物などのアイテムを加えてみてください。このように、場所や用途によって取り入れる色を変えていきましょう。

コーポレートカラーを取り入れる

コーポレートカラーとは、企業や組織などの団体を象徴する色をいいます。企業理念や特徴を分かりやすく色で表現し、社内外に理解してもらえる効果があります。ロゴや公式サイトなどに、このコーポレートカラーを取り入れて認知度を高めている企業が多いでしょう。オフィスデザインにも、コーポレートカラーを加えると社員や来客に企業の特色を伝えられます。エントランスや応接室などに積極的に使ってみてはいかがでしょうか。

オフィスデザインにカラーコーディネートを取り入れた事例3選

workkitで手掛けた、カラーコーディネートにもこだわりをもったオフィスデザインをご紹介します。

トヨタコネクティッド株式会社

トヨタコネクティッド株式会社
トヨタコネクティッド株式会社

5Fと6Fのワークスペースは、白とグレーを基調としたシンプルな空間ですが、随所に会社のロゴカラーを用いたカラフルなアートがプラスされています。「視点を変えて見る」というメッセージを秘めたアートは、ある1点から見るとロゴのモチーフが浮かび上がるしかけです。企業の想いを伝える工夫が施され、より魅力的な空間になりました。

トヨタコネクティッド株式会社

4Fのセットアップオフィスは、グレーを基調としたモノトーンのシンプルモダンな空間になっています。配管が剥き出しになった無機質さとのバランスがよい内装です。

トヨタコネクティッド株式会社

光が差し込むフリースペースには、彩度の低いイエローとブルーのチェアを設置しナチュラルでやさしい空間に。

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株式会社フラントリーブ

株式会社フラントリーブ
株式会社フラントリーブ

社名に関連を持たせた「秋」を彷彿とさせる、ニュアンスのあるカラーコーディネートになっています。グレージュをベースにやさしい雰囲気のオフィスです。エントランスから見える場所にドライフラワーなどがディスプレイされており、空間全体の調和に一役買っています。

株式会社フラントリーブ

ワークスペースもグレージュを基本としながら、デスクキャビネットやパソコンモニターのブラックで引き締まった印象になっています。メリハリをつけて、集中して仕事に取り組めるでしょう。

株式会社フラントリーブ

フリースペースや会議室には、空間全体の色調にあわせた抽象的なアート作品を飾っています。色味が少ないと殺風景に感じやすい空間になりますが、アートをプラスすると壁面にリズムや奥行き感が生まれます。

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株式会社バンダイナムコセブンズ

株式会社バンダイナムコセブンズ

フロアごとにコンセプトをかえてデザインされたオフィス。ワークスペースは、従来型の向き合う形のレイアウトでデスクとチェアもオフィス向けのシンプルなデザインのものを採用しています。床に敷き詰めたラグにグリーンによって、公園にいるときのような安らぎを感じる演出ができています。

株式会社バンダイナムコセブンズ

会議室は、落ち着いた雰囲気にコーディネートされています。壁面にはくすんだ色味でアクセントを入れています。彩度の低い色を使っているため、オフィス空間にふさわしいスッキリとシンプルながら温かみがある印象になっています。

株式会社バンダイナムコセブンズ
株式会社バンダイナムコセブンズ

ブルックリンスタイルでカフェにいるようなラウンジ。ブリック壁やヘリンボーン床などでシックながら個性的な空間になっています。また観葉植物やソファを配置し、気持ちを切り替える場所として活用されています。

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カラーコーディネートを意識してオフィスを心地よく彩ろう

色にはさまざまな心理的効果があります。インテリアにバランスよく色を取り入れると、集中しやすい環境やリラックスできる場所を作り出せるでしょう。オフィスは業務内容や場所によって、求められる要素が変わってきます。それぞれの場所に適した色をコーディネートしてみてください。無機質になりがちなオフィスが、心地よい空間として彩られ働く意欲も高まります。