オフィスには、商談や打ち合わせで外部からの来訪者を迎えることがあります。通常業務を行っているワークスペース内に招くケースも考えられますが、情報漏洩のリスクもあり危険です。そこで必要になるのが応接室ですが、使用頻度が少ない場合はあえて用意するべきなのか悩む方もいるのではないでしょうか。
本記事では、オフィスに応接室を作るメリット・デメリットを詳しく解説します。また、具体的に応接室をデザインするときのポイントやWORK KITが手掛けた魅力的な応接室の事例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
オフィスに応接室は必要なのでしょうか。ここでは、応接室を設けるとよい理由について考えてみます。
応接室は、来訪客をもてなす場としての機能を果たします。リラックスできる空間であれば、商談や取引などをスムーズに進められるでしょう。また、重要な商談やまだ公にできない話題を打ち合わせる場合、周囲に従業員がいる環境では落ち着いて会話ができません。個室になっている応接室なら、そのような重要な話し合いでも安心です。
応接室には、企業にとって重要な来訪者が招かれます。企業理念やアイデンティティが表現されるインテリアになっていれば、訪れる人に企業価値を伝えられるでしょう。商談の際に自社のアピールポイントを話すきっかけになるかもしれません。ブランディング効果が高まることで、対外的な評価が得られ従業員のモチベーションアップにもつながります。
応接室は、社内の会議室・ミーティングルームとしても活用できます。重要な取引先の人を招く場としてふさわしい広さや内装は、人事や方針決議などの話し合いを行う役員会議などに向いています。一方で、気軽なミーティングや研修などの社内向けの活動には向いていない場合もあるため、使い分けをするとよいでしょう。
応接室は企業価値を高める効果もあるのでオフィスにあるとよいものの、一方でデメリットもあります。企業にとって本当に必要なのかどうかを見極めるためにも、デメリットもしっかり踏まえて検討する必要があるでしょう。例えば、どのような点に気をつけるとよいのか解説します。
頻繁に取引先を招いた商談を行わない企業もあるでしょう。日常的に使わない場合は、ムダなスペースになるかもしれません。来訪者をもてなす場であることを踏まえると、リラックスして商談・取引を進めるために十分な広さを確保する必要があります。限られたオフィス空間のなかで、通常の業務に影響のない場所と動線を用意できるかがポイントです。
来訪者に企業価値を伝えるためには、内装にもこだわりが必要です。高級家具を置き重厚感のある雰囲気を出す、企業アイデンティティを伝えるための特別な内装にするなど、通常業務を行うスペース以上にコストがかかる可能性が高いでしょう。
日常的に使用しない場所のため、定期的な清掃の手が届きにくい可能性があります。久しぶりに使おうと思ったらホコリが溜まっている、換気が十分に行われないためにかび臭さが取れないなどのケースも考えられるでしょう。このように、いざ使おうと思ってもすぐには快適な環境にできないこともあり得ます。定期的にメンテナンスして、快適に利用可能な状態を維持するための手間がかかります。
オフィスに応接室を設ける際には、どのような点を意識するとよいのでしょうか。ここでは、応接室のデザインをする際のポイントを詳しく解説します。
オフィスのどの場所に応接室を作るかは、重要なポイントです。社長室に近いオフィス奥なのか、エントランスや受付に近い場所なのかなど、応接室で行われる商談・取引内容や招く相手がどのような人なのかを加味して考える必要があります。
また、エントランスや受付からの動線も検討してみてください。社員が通常業務を行っているワークスペースを横切らなければならない場合、社内の機密情報が漏洩しないような配慮が必要です。給湯室やトイレからの距離や避難経路も合わせて考えます。
来訪者が利用するトイレや通路は、対外的に企業の価値を伝えられる場所にもなります。清潔であることはもちろんですが、コーポレートカラーを取り入れる・企業の歴史や取り扱っている商品・サービスの魅力を伝えるような展示をするなどの工夫をするとよいでしょう。
応接室は、来訪者をもてなす場にふさわしい内装でなければいけません。落ち着いて話し合いをするためには座り心地がよく会話に適したソファや椅子・テーブルなどの家具を用意する必要があるでしょう。また、窮屈さを感じさせない家具や什器のレイアウトも検討します。
照明や自然光のコントロールも重要です。あたたかみのある暖色系の照明を用いることで、リラックスした雰囲気を演出できます。しかし、資料や契約書の詳細を確認しながら話をするには、やや暗いと感じられる可能性もあるため目的に合わせた照明計画が必要です。音や空調・換気状況にも配慮をして、商談に集中できる空間をつくらなければいけません。
近年はオンライン会議を行うケースも増えています。実際に訪れた人と外部の人がオンライン上で同席して話し合いを行う状況もあらかじめ想定して、通信設備を用意しておきましょう。
外部の人を招く応接室は、企業の印象を左右する空間です。おしゃれで雰囲気のよい空間であると同時に、企業理念やブランドの魅力を伝えるデザインにしなければいけません。企業のロゴ・キャッチコピーを取り入れた内装や写真・商品の展示などをしてみてください。
カラーコーディネートも、人の気持ちに影響を与えます。リラックス効果が期待できる「緑色」や落ち着いた気持ちになれる「茶色」を効果的に使ってみてはいかがでしょうか。また、コーポレートカラーを内装に取り入れて企業のイメージを伝えてみてもよいでしょう。
WORK KITでは、快適なオフィス空間にこだわったデザインを数多く手がけています。ここでは、応接室や社長室に併設した応接スペースを設けた事例を厳選してご紹介します。
宇宙船をイメージしたエントランスにはじまる、近未来的なオフィスです。エントランス・通路には、照明により演出されている自社商品が並びます。非日常感を演出したオフィスの応接室は、高級感あふれるラグジュアリーな空間にしました。窓からの景色を堪能でき、来訪者のわくわくする気持ちや商品への期待感を高められるでしょう。
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清潔感を大切にした明るくナチュラルな空間です。エントランスから理事長室までは、緩やかにカーブした壁が導いてくれます。理事長室は応接室を併用した部屋になっており、来訪者を迎えるにふさわしい上品な雰囲気が印象的です。
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ワークラウンジとワークスペースの2フロアにわかれており、自由に働ける空間構成になっています。社員だけでなく来客時の打ち合わせや食事会などの交流が図れるラウンジスペースのほかに、社長室のなかに応接ブースを設けました。来訪者とパソコン作業やランチミーティングを行うケースが多いことから、ソファとテーブルの高さにこだわった造作家具を取り入れ、使用目的に合わせたプランを実現しました。
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ビジネススタイルによっては、あえて設ける必要がないかもしれない応接室。しかし、商談をスムーズに進められる、ブランディング効果を高められるなどの効果が期待できる場所です。ブランドのアイデンティティを伝える部屋として、またおもてなしの空間としてデザインにこだわれば企業価値を高めることができます。ぜひ、積極的に活用する場として設けてみてはいかがでしょうか。