テレワーク・リモートワークの普及で出社率が大きく下がりました。在宅勤務には、メリットもあり、継続してテレワーク・リモートワークを行いたいと感じる人も多いのではないでしょうか。しかし、対面でのやり取りができないため、企業やチームにとってのデメリットも生まれます。そのため、オフィス回帰を促したいという経営者の声も聞かれます。
出社を義務化することも可能ですが、できれば従業員が進んで出社したいと感じられるようにしたいでしょう。そのためには、出社したくなるオフィスを作る必要があります。では、出社したくなるオフィスとはどのようなものでしょうか。本記事では、オフィスに出社するメリットや出社したくなるオフィスの特徴を詳しく解説します。
満員電車に揺られることなく、朝は自宅でゆっくり過ごしてから仕事を開始できるテレワーク・リモートワーク。時間の余裕ができ、ゆとりを持って仕事に取り組める一方で、連絡が取りにくいデメリットもあります。では、オフィスに出社するからこそ得られるメリットとはどのようなものでしょうか。
テレワーク・リモートワークは、対面でのコミュニケーションが取れず、気軽に相談をしにくい環境です。オフィスに出社すれば、顔を見ながら会話ができるので日常的な会話や声をかけるタイミングを見計らった相談もしやすくなるでしょう。
活発なコミュニケーションは課題の共有も円滑になり、問題が肥大化する前に迅速な解決へ導けます。チーム間の気軽なミーティングを行えば、業務効率化や商品企画のアイデア出し、あるいは画期的な営業戦略の共有も可能です。従業員間の信頼も深まり、チームに一体感が生まれます。
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多岐にわたる業務を複数のスタッフで進めるには、迅速かつ正確なやり方やノウハウの引き継ぎが重要です。とくに、新人や新たに赴任してきた人にとって、慣れない環境で仕事を覚えなければならずストレスや負担は大きいのではないでしょうか。
マニュアル化されていたとしても、直接教えてもらえるかどうかによって習得率は大きく変わります。しっかりとした技術・知識の共有は、ミスの軽減や業務効率化にもつながるでしょう。オンラインでの引継ぎも可能です。しかし、細かなポイントが伝わりにくい、わからないことを質問しにくいなどのデメリットも考えられます。
対面での引継ぎは、教える側も表情や声色から正しく伝わっているかを感じられるため、お互いに安心です。スムーズで確実な引継ぎができるでしょう。
コミュニケーション向上や業務の効率化だけでなく、モチベーションが上がるオフィスであることも、出社する意義の一つです。オフィスは、設計・デザイン次第で、会社独自の理念やビジョンを表現する場にできます。そのようなオフィスに出社すれば、会社に対するエンゲージメント=貢献意欲や愛着・思い入れが深まるのではないでしょうか。
従業員が帰属意識を持ち、やりがいを感じて働ける環境になれば、仕事に対するモチベーションもあがるでしょう。オフィス全体の雰囲気もよくなり、企業価値が高められます。
コミュニケーションが活発なオフィスでは、ポジティブな意見交換ができます。商品開発や営業戦略などの大きなプロジェクトにかかわる話だけでなく、何気ない会話から日常的な業務改善につながる解決策が見つかることもあるのではないでしょうか。
オンラインミーティングでは、決められたメンバーしか交流を持てません。しかし、出社すれば、偶発的に他部署・他チームの人と関わるきっかけも生まれます。部署の垣根を越えたアイデアや意見交換が可能です。アイデアをかたちにする方法も具体的に検討しやすく、業績向上にもつながります。
従業員が生き生きとした表情で前向きに働ける環境は、対外的にも魅力的に映ります。企業サイトや求人広告に自社オフィスや働く人の写真を載せれば、求職者にもポジティブな印象を与えられるでしょう。優秀な人材確保につながるでしょう。
人材育成には多大なコストがかかります。企業にとって、せっかく育てた人材が離れてしまうことは大きな損失です。これまで解説してきたように、出社で得られるメリットは大きく、実際に働きやすくポジティブな職場であれば離職も防げます。
オフィスに出社するメリットはたくさんあります。従業員が出社したいと感じるオフィスであると同時に、出社によって得られるメリットを最大限に生かせる環境でなければいけません。では、出社したくなるオフィスには、どのような特徴があるのでしょうか。
オフィスはあくまでも仕事をする場所です。ミス軽減・効率化を図るためにも、オフィスが集中して業務に取り組めるかどうかは重要なポイントです。業務内容に適したデスク・チェア・収納等の家具配置や動線計画をしっかり行う必要があります。テレワーク・リモートワークの普及に伴い増えたオンラインミーティングや商談に集中できる会議室や個室・テレブースもあるとよいでしょう。
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通勤の煩わしさや時間をかけたとしても「行きたい」と感じるには、自宅にはないメリットが必要です。前述の集中できる環境作りもその一つかもしれません。また、フリードリンクサービスが用意された休憩スペースや身体を動かせるジムスペース、託児スペースも、オフィスにあると魅力的で、行きたくなる要素になるでしょう。
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仕事に集中することは大切です。しかし、オンオフの切り替えをして、リフレッシュすれば生産性向上にもつながるでしょう。そのため、リフレッシュできる場があると、気持ちの切り替えをしやすくなります。同時に、コミュニケーションの場としても活用でき、部署をこえた交流を促せます。カフェスペースや情報収集に役立つライブラリースペースも、オフィスにおすすめの空間です。
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オフィスに出社するメリットの一つが「コミュニケーション促進」です。しかし、出社したものの顔を合わせて会話や相談ができる環境が整っていなければ意味がありません。そのため、情報共有・意思疎通がしやすい環境作りが重要です。気軽な会話やミーティングができるようなフリースペースやブレインストーミングに適したカウンターテーブルのあるミーティングルームなどを設けてみてください。
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健康的に働けるかどうかは、現代のワーカーにとって気になるポイントではないでしょうか。企業にとっても、従業員の健康サポートは重要な課題の一つです。おいしく栄養のバランスが取れた食事は、心身の健康を支えてくれます。社員食堂や社食サービスなどを福利厚生の一環として取り入れてみてください。モチベーションアップ、生産性向上につながり、出社意欲を高める理由になるでしょう。
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健康に働き続けるには、食だけでなく運動も重要です。しかし、自ら運動をするのは面倒だと感じる方も多いかもしれません。オフィス内に身体をしっかり動かす設備があれば、気軽に身体を動かすきっかけになります。休憩時間や退勤後に、従業員が自由に使えるジムやヨガスペースなどがオフィスに用意して気軽に身体を動かせる環境を整えてみてください。出社することで、健康意識が高まり、生き生きと働けるようになるでしょう。
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一体感を高めてためにも、企業理念が伝わるインテリアデザインであることも大切なポイントです。コーポレートカラーや取り扱っている商材をモチーフにしたサイン計画、企業理念をグラフィックで表すなどの工夫をしてみてください。従業員のエンゲージメント・帰属意識が高まるとモチベーションもあがり、業績向上や優秀な人材確保につながります。
オフィスでの仕事は、コミュニケーション促進やチームの一体感を高める効果が得られます。企業にとっても、ポジティブな影響が期待できます。テレワーク・リモートワークにはないメリットがあるオフィスなら、従業員も前向きな気持ちで出社したくなるでしょう。自宅にはない利便性や健康意識を高められる環境を整えて、生き生きと働ける環境を目指してみてください。