オフィスのエントランスは、企業の「顔」となるスペースです。社内外の多くの人が出入りし、企業そのものの印象に大きく関わる場所と言えるでしょう。オフィスデザインのなかでも、エントランスに力を入れる企業は多くあります。
そこで本記事では、オフィスのエントランスの重要性や、デザインをするときのポイントを詳しく解説します。また、WORK KITが手掛けたエントランスにこだわった事例もご紹介しますので、オフィスエントランスのデザインの参考にしてみてください。
オフィスは、従業員が仕事をする場所であり、執務に集中して取り組める環境でなければなりません。そのためには、ワークスペースのデザイン・環境整備が必要です。しかし、ワークスペース以外は、意識しなくてもよいのでしょうか。とくに、企業の顔である「エントランス」の重要性について考えてみましょう。
エントランスは、会社を訪れる人が最初に目にする場所です。来訪者の第一印象を左右するエリアとなるでしょう。ただの出入り口や通り道ではなく、企業の顔となる点で重要な場所と言えます。そのため、清潔感があり、居心地がよいと感じられる空間づくりが大切です。
また、エントランスは、来訪者に企業のブランドイメージや価値を伝える場所にもなります。どのような会社であるかを伝えるためにも、企業の想いを込めて作られたロゴやコーポレートカラーを取り入れたカラーコーディネート、アイデンティティを伝えるデザインにこだわってみてください。
エントランスや応接室などは、企業の経営理念やアイデンティティを対外的に見せることができる場所です。企業の商品やサービス内容を表現すれば、ブランディング効果を発揮できます。
また、エントランスは求人サイトやSNSなどのメディアに掲載される機会もあります。エントランスが魅力的であれば、多くの人の目に企業価値が伝わり、優秀な人材獲得につながるのではないでしょうか。
快適でおしゃれなエントランスは、従業員にとっても心地よい場所になります。企業の価値が高まれば、働いていることに誇りを持てるでしょう。また、来訪者による第一印象の評価が高まるとその後の商談によい影響を与えられるため、さらにモチベーションが上げる要素になります。
オフィスのエントランスデザインを考えるときには、企業のアイデンティティを表現することが重要であることがわかりました。しかし、ほかにも意識するとよいポイントがあります。ここでは、アイデンティティの表現を含めて、具体的に気をつけるとよい点をご紹介します。
デザインやカラーコーディネートを企業コンセプトに合わせることが大切です。そのためにはまず、ブランドイメージやビジョンを明確にしておく必要があるでしょう。コンセプトに沿って、取り扱っている商品・サービスを、わかりやすく表現するための素材・色・デザインを考えていきます。
また、エントランスだけでなく、オフィス全体の空間設計も重要です。エントランスとワークスペースのつながりも意識して、デザインを考える必要があります。オフィス全体で統一感のある設計・コーディネートをしてみてください。
ブランディング効果を高めるために、具体的なアピールをします。ロゴを使った社名の掲示や、コーポレートカラーを取り入れたコーディネートがおすすめです。また、自社製品やサービス内容を提示するパネルなどを展示してショールームのようにしてみる方法もあります。
実際の商品やサービスだけでなく、企業そのものの魅力を伝えるために、会社の歴史を紹介してもよいでしょう。実物やパネルの展示だけでなく、会社のPR動画を作成し、エントランスで流すのも効果的です。
来訪者の動線を考えて、エントランスから通路・会議室・応接室までのゾーニングを検討します。受付にスタッフが常駐していない場合は、来訪者が訪れたときに迅速に対応ができるゾーニングも意識してみてください。
エントランスは、従業員が常駐しているワークスペースや休憩室と分けておくとよいでしょう。オフィスの広さにもよりますが、従業員用の出入口・通路を用意するなど、動線を別にすることも必要な場合があります。
近年よく見られるようになったのが、フリースペースを従業員と来訪者が共有するケースです。このようなスタイルは、社内のオープンで活発な印象を来訪者に伝えると同時に、社内外の積極的なコミュニケーションの促進が図れます。一方で、整理整頓ができていないと煩雑な印象を与える点や、セキュリティ面での不安などのデメリットもあります。会社の性質や状況に応じて取り入れるようにしましょう。
来訪者によい印象を与えるためには、清潔であることが大切です。定期的な、清掃やメンテナンスをしっかり行ってください。たとえば、観葉植物が枯れていたり、葉っぱにほこりがたまっていたりすると、配慮が行き届いていない印象を与えます。また、照明の電球が切れる、設備が壊れているなどの細かなチェックも欠かさないようにしましょう。
明るいエントランスは清潔感のある印象になります。照明や窓・扉の配置に気を配り、明るすぎず暗すぎない照明計画を行ってください。しかし、ワークスペースのように作業をする場所ではないことから、一定の光が必要なわけではありません。間接照明や印象的な照明器具を使い、来訪者をあたたかく迎えるための演出も大切です。社名やロゴを見やすくするためにスポットライトをあてるといった照明計画も検討してみてください。
初めて訪れる人にもわかりやすい案内方法も大切です。エントランスに設置された電話での呼び出しのほか、タブレットのタッチパネルを使った受付・伝達方法があります。受付に人が常駐していない場合は、どのように来訪したことを担当者や社員に伝えればよいか、明確に表示しましょう。
これからのオフィスには、サステナブル(持続可能性)や環境に配慮した取り組みもプラスしていく必要があります。廃材利用・リユース・リサイクル・国産材の利用などを取り入れてみてください。また、バリアフリー・ジェンダーフリーに配慮した設計も考えるべきでしょう。
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エントランスは、ただの「通路」ではなく、来訪者をお迎えする場所です。スペースにゆとりがあるなら、テーブルや椅子・ソファなどを設置すれば、担当者が来るまで待機することはもちろん、簡単な挨拶や気軽な打ち合わせも行なえます。
観葉植物・アロマ・空気清浄・音楽など目に見えない環境づくりも大切です。居心地がよいと感じてもらえる空間にすることで、コミュニケーション促進を図れるでしょう。
来訪者との円滑なコミュニケーションは重要ですが、社内の機密事項・重要事項が外部に漏れないように徹底することも必要です。また、不審者の侵入を防ぎ、従業員の安全を守らなければいけません。
ICカードを用いた入退室管理や防犯カメラの設置、セキュリティ会社への通報システム導入などを検討してみてください。また、社内の声が外に漏れにくいように、遮音性の高い内装材を使うとよいでしょう。
数多くのオフィスデザインを手掛けるWORK KITのエントランスにこだわった事例を厳選して3つご紹介します。
宇宙船をイメージした、こだわりのエントランスです。近未来的な雰囲気で、照明やモニター映像を使い非日常空間への入り口を演出しました。エントランスや通路の先にはワークスペースがありますが、中が見えないようにして世界観のつくり込みをしています。
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ハイブリッドワークの定着が進むなかで、オフィスに集まる意味を見つめ直し、オフィスで働く意欲を満たすためのコンセプトをもとにデザインされました。「肥沃な大地」というテーマに合わせた”地層”をイメージした壁・版築仕上げ・素朴な土の味わいが特徴的です。iPad台も意匠を合わせるなど、細部にもこだわっています。ナチュラルでダイナミックな内装と呼応するエントランスデザインです。
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柔らかな雰囲気を演出したエントランスです。オフィス空間全体の色合いやナチュラルで優しいテイストに統一し、一体感があります。正面のガラスから自然光を取り込み、会社の空気感が伝わる空間になりました。
→事例の詳細はコチラ
エントランスのデザインにこだわれば、来訪者に企業価値を伝えることができます。ブランディング効果も高まり、従業員のモチベーションアップにもなるでしょう。それを実現するには、企業のコンセプトに合わせたデザインや清潔感のある空間づくりが必要です。企業価値を高めるためにも、エントランスの設計もこだわりをもって行ってみてください。