オフィスでのコミュニケーションは円滑に取れていますか?多くの人が、コミュニケーション不足や連携がうまくできないことによる問題に直面したことがあるのではないでしょうか。
本記事では、オフィスで起こるコミュニケーション不足による課題や、コミュニケーション促進が図れると得られる効果について解説します。また、コミュニケーションを促進できるオフィスのポイントをご紹介します。コミュニケーションの促進を図り、社内外の信頼関係を高めて働きやすい環境づくりをするためのヒントを見つけてみてください。
近年、テレワーク・リモートワークが普及・定着し、メリットがある一方で起こるコミュニケーション不足による問題が注目されました。業務を円滑に遂行するためには、なぜオフィスでのコミュニケーションが重要なのでしょうか。ここでは、コミュニケーション不足による課題・問題点を考えてみます。
仕事上のストレスに「人間関係」が挙げられることがよくあります。コミュニケーション不足で信頼関係が築けないことは、人間関係構築の妨げの要因の一つです。必要な情報が共有できない状況は業務遂行が滞るだけでなく、相手への不満につながり人間関係が悪化してしまいます。
コミュニケーション不足は、指示や連絡が正確に伝わらずミスにつながるなど、業務上のトラブルを引き起こす可能性が高まります。業務の属人化により、問題発覚までに時間を要し、状況が悪化するかもしれません。ミスやトラブルが起こると、通常の業務も滞ってしまいます。前向きな活動に関わる時間を削ることになり、売り上げ減少につながる可能性もあるでしょう。
コミュニケーション不足により、人間関係が構築できないと、情報共有だけでなく相談もしにくくなります。業務上の課題や問題だけでなく、日ごろ抱えているストレスなどを1人で抱え込む環境になりがちです。周囲に相談しにくい環境では、業務が属人化しやすく、大きなミスや問題に発展する可能性が高まります。
相談ができない環境は対応している人のメンタル面にも悪影響を及ぼし、体調不良を引き起こしかねません。円滑なコミュニケーションは、円滑な業務の遂行だけでなく従業員の健康管理にとっても必要です。
コミュニケーション不足で、人間関係をうまく育めないことをきっかけに、同僚との関係性が悪化するかもしれません。モチベーションを高く持ち続けられない、将来性を感じられないなどのネガティブな状況が、離職につながるケースもあるでしょう。
コミュニケーション不足で、さまざまな課題・問題が起こることがわかりました。では逆に、コミュニケーションの促進が図れるとどのような効果が得られるのでしょうか。
テレワーク・リモートワークのように、メールやチャットを中心としたコミュニケーションだけでは相手の表情が見えにくく、相手の気持ちがわからず疑心暗鬼になることがあります。オンラインでのやり取りにおいても、積極的なコミュニケーションを行うことが重要です。会話を重ねることから、働く人たちの人間性も見えるようになり、信頼関係を築きやすくなります。
また、上司や先輩とのコミュニケーションも大切です。業務に慣れていない若手社員が相談しやすい環境にする、日々の活動に対して日常的に評価ができる状況にするなど、モチベーションアップにつながるコミュニケーションを積極的に取るとよいでしょう。
仕事上で大きな課題を抱えている、業務量が多くかかりきりになっている、といった状況が続くと休息を取りづらく疲労が蓄積しやすくなります。集中しているときは、本人では外に声を出しにくい状態になっていることが多いため、周りからも声をかけることが大切です。コミュニケーションが活発なオフィスは、日ごろからお互いの雰囲気や状況を察しやすいため、早い段階で問題に気づきやすくなります。
また、雑談を交えた会話をすれば、業務を離れて気持ちを切り替えることができるでしょう。リフレッシュ効果が高まれば、業務改善や商談のアイデアが思い浮かんだり、集中力があがったりポジティブな活動や業務効率の改善につながります。
多くの仕事は、一人で完結するものではなく複数の人が関わります。そのため、適切な情報をしっかり行うことが重要です。次工程の人が間違いなく業務を遂行するためにも、わかりやすく適切な情報共有が行われることで、ミスの軽減につながるでしょう。
また、しっかりと情報共有がされていれば、問題発生時の原因の特定が早くなります。迅速に、同様の問題を繰り返し起こさないようにするための対策をたて、スピーディーな問題解決・トラブル回避を導けます。
コミュニケーションが活発なオフィスでは、メンタルストレスも少なくなり、居心地よく働けます。業務も円滑に進められるため、前向きな活動に取り組む時間が増えモチベーションがあがります。
定着率が高まり、就職活動をしている方の目から見ても魅力的に映るため、優秀な人材の確保にも結び付きます。いきいきとしている企業は、対外的にもよい印象を与えるため、ブランディング効果が高まるでしょう。
コミュニケーション促進は、企業にとっても従業員にとっても必要不可欠な要素です。オフィス環境を整えて、積極的なコミュニケーションが図れるようにしましょう。では、具体的にどのようなスペースがあれば、活発なコミュニケーションを促せるのでしょうか。ここでは、コミュニケーション促進を図れるオフィスのポイントをご紹介します。
ワークスペースに間仕切りがあると、集中して作業に取り組むことはできますが、孤立しやすくなります。間仕切りのないオープン空間であれば、周囲の人と気軽に相談ができ、問題解決を迅速に行えるでしょう。
また、早い段階で報告・相談をすることは重要ですが、対応業務が多すぎて抱え込んでしまっている場合などは周りから状況の確認をして、サポートする必要もあります。部署・チームの人たちの顔を見ながら仕事に取り組めるため、お互いの状況を察しやすくなります。
積極的な意見交換やチーム・グループなど小規模な単位での気軽なミーティングが、課題解決には重要です。予約が必要な会議室やワークスペースから離れた場所にあるミーティングルームは、重要決議を行う際や秘匿性の高い議題を取り扱う場合には必要ですが、気軽なミーティングには不向きです。
デスクやチェアを簡単に動かし、気軽なミーティングスペースを作れるようにするなどフレキシブルなスペースを用意しておくとよいでしょう。フットワークの軽い話し合いの場を設けられます。また、そのように可変性の高い空間は、ワークショップや勉強会・グループディスカッションにも活用可能です。
フリーアドレスとは、固定席を設けずに空いている席をその都度利用する方法です。テレワーク・リモートワークと出社を交代で行う場合や外出の多い営業スタッフが所属するチームなどで使われるケースが多いでしょう。
利用する度に隣に座る人が異なるため、部署やチームをこえた相手とコミュニケーションを図る機会が増えます。違う視点での情報交換を行い、新しいアイデアを生み出すきっかけを得ることもあります。
人が自然と集まるマグネットスペースも、コミュニケーション促進に有効です。コピー機の周辺や資料コーナーなど立ち上がるタイミングに立ち寄れる場所に、カフェコーナーや資料棚を設けます。座ったまま業務に取り組むと会話をする機会が減りますが、このような場所があると気軽な会話が増えコミュニケーションと取ることができます。
人が集中して業務に取り組める時間には限りがあります。適切な休息を取りながら行うことで、かえって作業効率もあがることからオフィス内に休憩スペースを設ける企業も増えてきました。リラックスした気持ちで過ごす休憩スペースでは、自然と会話が増え、部署をこえたコミュニケーションが生まれるでしょう。
ここまでは、コミュニケーションを取りやすくするためのスペースをご紹介しました。しかし、コミュニケーションをとることが重要な一方で、集中したいときには周囲の声や音が邪魔になるケースがあります。オンラインミーティングや商談など、集中したいときには個人用のブースがあると便利です。
コミュニケーション不足は、作業効率の低下やミスの発生を引き起こすだけでなく、人間関係の構築が築きにくいためにメンタルヘルスに悪影響をもたらす可能性があります。コミュニケーションが活発なオフィスでは、業務効率や従業員のモチベーションが上がると同時に企業価値を高める結果にもつながります。コミュニケーションの促進が図れる空間を意識して、ブランディング効果の高いオフィスを実現してみてください。