人と場所を結ぶ為に必要なモノは何か?今回はフィールドを変えて都心から郊外へ、3つのテーマと向き合って「箱根彫刻の森美術館」(英語名THE HAKONE OPENーAIR MUSEUM)へ週末に子連れで散策してきたレポートをご紹介します。
山林にあるエントランスのトンネルをくぐると、大自然のパノラマと共に自然が放つ独特の空気の流れや香りに包まれます。広大な自然の景色と共に大きなブロンズ彫刻がそれぞれの存在感を出しながら美術館へと向かえ入れてくれます。
散策路のように長く続く道を歩いていると、ダイナミックで立体感のある作品が展示されています。近くに寄って等身大の距離を感じ、素材や質感を確かめるために触れてみる。映像では伝わらない、その場に行かなければ伝わることができない「こと」。ここで発見出来ます。
後ろに回って通り過ぎる「ヒト」を観察して見るといろんな笑顔が見えてきました。「心を豊かにする」まさしくこの瞬間、この空間が作品の持つチカラ、アートなんだと感じます。
外観はとても立派な建築物で、構造に興味のある方には心をくすぐられる存在です。なかを覗くと様々なハンモックで作られた「蜘蛛の巣」。好奇心の旺盛な子供達は次々と巣の中へ引き込まれ、飛んだり・ハネたりと大はしゃぎです!
想像以上の迫力で、大人も子供も遊びを通じて造形の楽しさに触れることのできる空間でした。
ピサの斜塔のように重厚な外観を持つ建物の中に入ると、たくさんの色や形が集まって出来た絵画のようなステンドグラスから、想像できないほどの光が目に飛び込んできます。外観と内観で大きな違いを感じ、また螺旋階段を上がっていくうちに、次から次へとグラスを通して色の変化した採光で表情が変わる。こうして近寄って、意識してみてはじめて感じる。本当は私達の身近なところにも、こうして感度のアンテナを立ててみると、モノに対する気づきが沢山あるのかも知れないと感じさせられました。
夜では感じられない、太陽の光と重ならないと感じることの出来ない作品でした。
視覚と立体的な音を移動しながら体感する事のできる場所。アナログだけど3Dの映像をみているような感覚を持たせてくれます。音の在り処と聞こえ方、光と影の作り方。この場を作るための色々な道具の使われ方など、大人も子供も「仕組みと仕掛け」を発見する楽しみがここにありました。
優しい音の連鎖や天井も高く、優しい光を放つ居心地の良い空間は子どもたちにもお気に入りでした。
私達がデザインする空間やセレクトし配置された家具。オフィス環境の構築に関わる基本的な要素を集約させてひとつの「カタチ」を作り上げる仕事と、今回訪れたOPENーAIR MUSEMUMで感じた「素材」「形」「空間」この3つのテーマの共通点を考えました。両者はその先にいる相手(大人・子供・男性・女性・個人や多数)のことを考え、真剣に価値ある「モノ」を作る心構えであり、その想いが「カタチ」となって存在していること。この場に展示されているアート作品のように、ひとつひとつを真剣に取り組んで価値ある「モノ」や「カタチ」として残せていけるようにWORK KITらしさでこれからも提供して行ければと思います。
Reporter : K.I
彫刻の森美術館 |
1969年に開館した国内ではじめての野外美術館。 |
---|