オフィスのデザインをしていく中で、空間に合わせた造作家具のオーダーをいただくことがよくあります。その際は、空間にマッチした内装材や家具の面材から色や素材を選んでいくことが多いのですが、今回はちょっと視点を変えて、“LEGO”を使って可動間仕切を作った事例を紹介します。身近にある慣れ親しんだ物を使用してみると新たなアクセントが生まれます。

 

LEGO_1子どものころ慣れ親しんだ“LEGO”ブロックで、皆さんがよく知るこのキャラクター。こちらは引き渡し後にお客様が作られたようです。

 

LEGO_2可動間仕切を“LEGO”で制作し社名を入れました。ひとつひとつのピースはシンプルな形ですが、これだけ積み上げると迫力があります。

 

LEGO_3機能としては脇役ですが、存在感は間違いなく主役級です。

 

LEGO_4いつも違うキャラクターが登場し、近所のアメリカンスクールに通う子ども達に大人気。ガラスの外に人だかりが出来るそうです。ここはビル1Fのプログラミング教室。子ども達はもちろん、道行く人たちの目を引きつけます。

使用したパーツはなんと全部で65000個以上!!ブランディング効果絶大の動く家具です。

出来上がったオフィスにグリーンを設置することで空間に彩りと深みを与えてくれます。計画段階ではついつい見落としがちですが、植物のグリーンを見ることで視覚的疲労を少なくさせる効果や心理的な部分においても癒やしの効果があることが分かっています。内装の計画段階からグリーンを取り入れておくことで様々な効果が期待できると思います。

 

tools-green-1グリーンがあることで空間に明るさ、彩りが感じられますよね。

 

tools-green-2可動BOXからはみ出るほどのグリーンを入れてみました。簡易的なパーティションとしても利用しています。

 

tools-green-3せっかくフリーアドレスを導入したのでオープンでコミュニケーションが取りやすい環境にしたいけど、少しだけ前に座る人との境界は設置したい!なんて考えている方もいるかもしれません。そんなときに、配線ダクトサイズに造作でプランターBOXを設置することで圧迫感もなく程よい境界が可能となります。

陶器やプランターを工夫してみるのも楽しいですね。オフィスにグリーン、取り入れてみませんか?

オフィスの照明といえば、もっぱら蛍光灯ですが、近年、電球色のような暖色系の照明を取り入れるケースが増えてきました。PCワークによる眼精疲労や視力低下の対策として効果があります。オフィスでも既存の蛍光灯だけに頼らず、照明計画を検討して様々な効果や演出を考えてみてはいかがでしょうか?その中から少し個性的な照明を取り入れたケースをご紹介します。

 

照明-3レトロなソケットに暖色の裸電球。フィラメントによるペンダント照明です。LEDに比べ、柔らかな明かりが空間を暖かくします。

 

照明-4こちらは、オーデリックのエクステリアライトですが、屋内のエントランスサインの上部に設置してみました。壁に映るフレームの影が、壁に立体感を出します。

 

照明-8表面の凹凸が壁に柔らかい光を不規則に移します。こちらは、オフィスの片隅のリラックススペースに設置してみました。

 

照明-10職人がひとつひとつ手作業でつくるステンドグラスのシェードと真鍮製のソケットの組み合わせ。違う色の照明を並べてみました。

 

いかがでしょう?暖色系の明かりは、キャンプファイヤーの火をじーっと見つめて癒されるように落ち着きを与える効果があるのでしょうか。一方で、ブルー系の明かりは冷静さやヒーリングのような効果がありそうです。シーンによって器具や色温度などがもたらす効果をオフィスに取り入れるのも面白いですね。

 

オフィスへの導入背景、目的、用途に合わせて表示コンテンツを変えることで、社内及び来訪者への有効な情報提供やインパクトのある空間演出を可能にします。今回は多面マルチディスプレイを導入した事例をご紹介します。

 

DigitalSignage-14イベントスペースに9面マルチディスプレイを設置しました。LIVE感あふれるプロモーションでさらなる訴求効果に期待大です!

 

DigitalSignage-13専用エンジニアによる大型マルチディスプレイ【55v型、縦3段×横3列、165インチ相当】構築の様子。モニター取付金具の位置、間隔、強度、配線作業の精度など、確認!

 

DigitalSignage-15ゲストを迎えるレセプションラウンジに壁面一体ディスプレイ【55v型、2×2、110インチ相当】を設置し、独自のコンテンツをリアルタイムに提供します。

DigitalSignage-12サテライトスタジオで収録された映像をネットワーク上に配信しながら、ガラス越しに隣接されたレセプションラウンジのディスプレイへ、LIVE映像をリアルに体感できます。

 

このようにCGやアニメーションなどの動画を流す企業様も増えてきています。更に、オフィスの壁面にプロジェクションマッピングを施すなど新しい技術がどんどんオフィスに取り入れられています。単なる仕事をする場ではなく、イベント、プロモーションやブランディングの場として、オフィスを戦略的に活用する動きが広まってきています。

オフィスのミーティングスペースや来客スペースにガラスの間仕切をというご要望が多くあります。そんな時に、扱う金物の組み合わせ、納め方次第で、空間に特徴を持たせられる上に、質感を上げることが出来ます。少しだけご紹介します。

 

ガラス間仕切3分類はガラス蝶番、メーカーは「ジョープリンス」になります。製品自体はコンパクトですが、機能的でスタイリッシュです。

 

ガラス間仕切2方立(ほうだて)を入れずにガラスと扉をすっきり納めると、空間の広がりと開放感を生み出し、周りの環境と一体になります。

 

ガラス間仕切4通常のフロアヒンジ納まりですがガラス枠をミニマムに壁・床にのみこます納め方で空間をつなげ、シャープな雰囲気を演出しています。

 

ガラス間仕切1建具を自立させるアイデアで、ガラスの自重やたわみを計算し安全で個性的な間仕切を作りました。

 

オフィス空間は、基本的に手を加えなければ単調な仕上がりとなっています。ある程度予算を確保し、リアルな素材を使って全面的に表装を変えたいがそこまで予算を回せない場合があります。ここでおすすめするのはコストのバランスを考えて「1面だけ演出する事」です。今回は特殊塗装でアクセントを入れた一部をご紹介します。

 

wallpaint_1特殊な技術で0から時間をかけたイメージへ、風合いを作り出していきます。いつも作り手の現場はなによりも刺激になります。

 

wallpaint_2熟練工の絶妙な「ローラー塗り」で上下塗り分けすれば、のっぺりした壁に表情が入ります。

 

wallpaint_3手書きの文字ペイントでひと手間加えると、工業製品の仕上がりでは出せない独特な「味わい」が広がります。

 

wallpaint_4きちんと手入れして管理された筆達は職方さんの仕事へのスタンスが見え、仕上がりの精度も見えてきます。

 

wallpaint_5個性的な「アートペイント」は、描き手とクライアントの会話の中で見えてきた空間の意図を表現していきます。

 

<番外編>

wallpaint_6オフィスの一画に特殊塗装で復元されたオブジェを壁面に取付けました。アナログ作業で時間をかけて作られた「モノ」には意味があります。

 

オフィス家具を選ぶとき、‘形は良いのだけど色がなぁ’なんて、デザインと価格のバランスが合わないことがしばしば。そんな時は既成品に再加工をしてみることでオフィスデザインにマッチしたオリジナル家具へと変化します。

 

pac-ex-9イケアで購入したチェアーに色を塗って少しカジュアルな感じに。

pac-ex-11すべてを塗るのではなく、ポイントで塗るのもコツです。

マルゲリータ塗装 画像2既成品の壁面収納家具に背板をつけてそれぞれの棚に塗装を入れました。

 

以前よりもオフィス家具はデザイン性の優れたものが増えてきました。しかしながら、それ以上にオフィスデザインも個性豊かになってきています。既成品にひと手加える事で、オフィス環境に合わせた家具を考えてみるのはいかがでしょう。

スチール家具が中心となって構成されるオフィス環境の中、手作業でうまれた木工家具は際立つ存在感で空間を魅了してくれるアイテムです。安くもないし、製作期間もかかるけど、一度納品すると長く愛着を持って使える物。それは作り手のプロセスからすでに生まれているのかも知れません。

 

tableblog-9

東京の郊外にある木工家具の工場。現在は一人で運営されています。人工資材で作る家具ではなく、あくまでも無垢や突板での家具製作の面白さと拘りを感じながら、営まれています。

 

tableblog-7

年を積み重ねた存在感のある工作機械が所狭しと並びます。

 

スライド1

基本製作図。しかし設計者の製作図に捉われず、作り手としての収まりや見栄えを考えながら製作を加えていくそうです。こうして作り手目線が加わることで、一層の深みが増します。

 

tableblog-10

メインとなる脚部のアールを製作するため、木片をカットし接木を作ります。

 

tableblog-11

ベースとなる脚部に接木を張り合わせる工程。入念に固定し、貼り合わせます。

 

tableblog-12

脚部の曲線を作るためのベースが完成。これでようやく曲線的にカットできる準備が整いました。

 

tableblog-1

カットし脚部の完成です。

 

tableblog-13

無塗装の状態となる天板。ここから塗装作業に進みます。テーブルは強度を考えてウレタンクリアーにて。

 

f0237460_19315427

仮組みをし、塗りたてたばかりの天板。乾きをみて納品です。

 

tableblog-17

天板と脚の組み上げ。

 

tableblog-18

拘った曲部はとてもクールに仕上がりました。

 

tableblog-19

完成写真です。木目の存在感は落ち着きを感じさせ、おもてなしには十分な応接室となりました。

オフィス家具を全て手作りにするのはハードルが高いですが、ワンポイントで存在感と愛着のある手作り家具を置いてみるとオフィス全体の雰囲気も大きく変わってきます。オフィスデザインを考える上でそれはとても重要なことなのです。

ワークキットでは、新しいオフィスをよりリアルにイメージしていただくために模型を作ってお見せする場合があります。素材感や立体感をより具体的に感じていただくことができます。また、新しいオフィスでの働き方のイメージに繋がります。今回は、最近作った模型で実際にイメージしてみました。

模型-6平面図だけでは見えてこない様々な角度を3次元的に見ることができるのが最大の特徴です。

 

模型-16床の高低差や家具や植栽のスケール感が伝わってきます。

 

模型-12おやおや?この二人、なんだか穏やかじゃない雰囲気ですね・・・・。

 

模型-11正面から見るとこんな感じです。なにか話していますね。

 

mokei-1さらに寄るとこんな感じです。握りこぶしがハンパないです!

 

模型-14先ほどの女性二人が会議室で上司に詰め寄ってます。なんだか上司が負けている感じですね。女性が活躍できそうなオフィスです。

 

模型-15上から見るとこんな感じで平面図と変わりません。でもバトルしてるのは分かります。いい会社です。。。。

 

mokei-3最後に全体像を上空200メートルから。

どうですか?模型はデザインとかレイアウトとかをチェックするためだけではないのです。働き方やストーリーがよりリアルにイメージできるのです。今回は、社員が生き生き働ける、文字通り風通しの良いオフィスがイメージできますね(笑)。

こんな模型を使って企業文化やオフィス風景を会社案内や人材募集の際にPRしても面白いかもしれません。

 

CATEGORY

ARCHIVES

RECENT ENTRY