オフィスのデザインをしていく中で、空間に合わせた造作家具のオーダーをいただくことがよくあります。その際は、空間にマッチした内装材や家具の面材から色や素材を選んでいくことが多いのですが、今回はちょっと視点を変えて、“LEGO”を使って可動間仕切を作った事例を紹介します。身近にある慣れ親しんだ物を使用してみると新たなアクセントが生まれます。
子どものころ慣れ親しんだ“LEGO”ブロックで、皆さんがよく知るこのキャラクター。こちらは引き渡し後にお客様が作られたようです。
可動間仕切を“LEGO”で制作し社名を入れました。ひとつひとつのピースはシンプルな形ですが、これだけ積み上げると迫力があります。
機能としては脇役ですが、存在感は間違いなく主役級です。
いつも違うキャラクターが登場し、近所のアメリカンスクールに通う子ども達に大人気。ガラスの外に人だかりが出来るそうです。ここはビル1Fのプログラミング教室。子ども達はもちろん、道行く人たちの目を引きつけます。
使用したパーツはなんと全部で65000個以上!!ブランディング効果絶大の動く家具です。
出来上がったオフィスにグリーンを設置することで空間に彩りと深みを与えてくれます。計画段階ではついつい見落としがちですが、植物のグリーンを見ることで視覚的疲労を少なくさせる効果や心理的な部分においても癒やしの効果があることが分かっています。内装の計画段階からグリーンを取り入れておくことで様々な効果が期待できると思います。
グリーンがあることで空間に明るさ、彩りが感じられますよね。
可動BOXからはみ出るほどのグリーンを入れてみました。簡易的なパーティションとしても利用しています。
せっかくフリーアドレスを導入したのでオープンでコミュニケーションが取りやすい環境にしたいけど、少しだけ前に座る人との境界は設置したい!なんて考えている方もいるかもしれません。そんなときに、配線ダクトサイズに造作でプランターBOXを設置することで圧迫感もなく程よい境界が可能となります。
陶器やプランターを工夫してみるのも楽しいですね。オフィスにグリーン、取り入れてみませんか?
オフィスの照明といえば、もっぱら蛍光灯ですが、近年、電球色のような暖色系の照明を取り入れるケースが増えてきました。PCワークによる眼精疲労や視力低下の対策として効果があります。オフィスでも既存の蛍光灯だけに頼らず、照明計画を検討して様々な効果や演出を考えてみてはいかがでしょうか?その中から少し個性的な照明を取り入れたケースをご紹介します。
レトロなソケットに暖色の裸電球。フィラメントによるペンダント照明です。LEDに比べ、柔らかな明かりが空間を暖かくします。
こちらは、オーデリックのエクステリアライトですが、屋内のエントランスサインの上部に設置してみました。壁に映るフレームの影が、壁に立体感を出します。
表面の凹凸が壁に柔らかい光を不規則に移します。こちらは、オフィスの片隅のリラックススペースに設置してみました。
職人がひとつひとつ手作業でつくるステンドグラスのシェードと真鍮製のソケットの組み合わせ。違う色の照明を並べてみました。
いかがでしょう?暖色系の明かりは、キャンプファイヤーの火をじーっと見つめて癒されるように落ち着きを与える効果があるのでしょうか。一方で、ブルー系の明かりは冷静さやヒーリングのような効果がありそうです。シーンによって器具や色温度などがもたらす効果をオフィスに取り入れるのも面白いですね。
オフィスへの導入背景、目的、用途に合わせて表示コンテンツを変えることで、社内及び来訪者への有効な情報提供やインパクトのある空間演出を可能にします。今回は多面マルチディスプレイを導入した事例をご紹介します。
イベントスペースに9面マルチディスプレイを設置しました。LIVE感あふれるプロモーションでさらなる訴求効果に期待大です!
専用エンジニアによる大型マルチディスプレイ【55v型、縦3段×横3列、165インチ相当】構築の様子。モニター取付金具の位置、間隔、強度、配線作業の精度など、確認!
ゲストを迎えるレセプションラウンジに壁面一体ディスプレイ【55v型、2×2、110インチ相当】を設置し、独自のコンテンツをリアルタイムに提供します。
サテライトスタジオで収録された映像をネットワーク上に配信しながら、ガラス越しに隣接されたレセプションラウンジのディスプレイへ、LIVE映像をリアルに体感できます。
このようにCGやアニメーションなどの動画を流す企業様も増えてきています。更に、オフィスの壁面にプロジェクションマッピングを施すなど新しい技術がどんどんオフィスに取り入れられています。単なる仕事をする場ではなく、イベント、プロモーションやブランディングの場として、オフィスを戦略的に活用する動きが広まってきています。
オフィスのミーティングスペースや来客スペースにガラスの間仕切をというご要望が多くあります。そんな時に、扱う金物の組み合わせ、納め方次第で、空間に特徴を持たせられる上に、質感を上げることが出来ます。少しだけご紹介します。
分類はガラス蝶番、メーカーは「ジョープリンス」になります。製品自体はコンパクトですが、機能的でスタイリッシュです。
方立(ほうだて)を入れずにガラスと扉をすっきり納めると、空間の広がりと開放感を生み出し、周りの環境と一体になります。
通常のフロアヒンジ納まりですがガラス枠をミニマムに壁・床にのみこます納め方で空間をつなげ、シャープな雰囲気を演出しています。
建具を自立させるアイデアで、ガラスの自重やたわみを計算し安全で個性的な間仕切を作りました。
オフィス空間は、基本的に手を加えなければ単調な仕上がりとなっています。ある程度予算を確保し、リアルな素材を使って全面的に表装を変えたいがそこまで予算を回せない場合があります。ここでおすすめするのはコストのバランスを考えて「1面だけ演出する事」です。今回は特殊塗装でアクセントを入れた一部をご紹介します。
特殊な技術で0から時間をかけたイメージへ、風合いを作り出していきます。いつも作り手の現場はなによりも刺激になります。
熟練工の絶妙な「ローラー塗り」で上下塗り分けすれば、のっぺりした壁に表情が入ります。
手書きの文字ペイントでひと手間加えると、工業製品の仕上がりでは出せない独特な「味わい」が広がります。
きちんと手入れして管理された筆達は職方さんの仕事へのスタンスが見え、仕上がりの精度も見えてきます。
個性的な「アートペイント」は、描き手とクライアントの会話の中で見えてきた空間の意図を表現していきます。
<番外編>
オフィスの一画に特殊塗装で復元されたオブジェを壁面に取付けました。アナログ作業で時間をかけて作られた「モノ」には意味があります。