忙しい日々のなかでも、リラックスした生活を送ることは大切です。テレワーク・リモートワークの定着もあり、オンとオフの区別をつけにくい環境で働いている人もいるでしょう。またオフィスでも、心身の健康を保つ働き方をしたいですよね。仕事とプライベートの垣根があいまいになりやすいからこそ、どちらも心地よいと感じる空間設計が重要です。
本記事では、これからの働き方を見据えてオフィスデザインを手掛けるWORK KITの視点で、ビジネスパーソンが求める理想のワークライフについて考え、QOL(Quolity of Life=暮らしの質)を上げるためのポイントをお伝えします。ビジネスパーソンのオンとオフのバランスがよい理想のライフスタイルを叶え、充実した毎日を送るヒントを見つけてみましょう。
働く世代の人は誰でも、健康的に暮らしたいと考えているのではないでしょうか。またやりがいを持ち、心身ともに健やかで、充実した生き方に憧れる人も多いでしょう。ここでは、ビジネスパーソンが求める理想の暮らしに必要な要素を具体的にみていきます。
睡眠は心身の疲れを回復させ、健康や生活の質をあげる効果があり、ビジネスパーソンの心身の健康にとって重要な要素です。逆に睡眠不足が続くと、健康リスクが高まるだけでなく、集中力が低下しミスを起こしやすいなど仕事や生活に悪影響があります。
大人に必要な睡眠時間は約6~8時間といわれていますが、十分な睡眠には時間だけでなく、質の高さも重要です。就寝前にリラックスして入眠を促し、質の高い睡眠をとるようにしてください。飲酒や喫煙、あるいはコーヒーなどのカフェインが含まれる飲料の摂取は、睡眠を浅くする可能性があるので控えることをおすすめします。
しっかりと質の高い睡眠をとれば、朝の目覚めもよくなります。脳やからだが元気な状態の朝に運動や学習をする「朝活」を習慣化でき、充実した生活ができるでしょう。また、15~30分程度の昼寝も、生産性向上に効果的とされています。このように、1日を通して眠を大切にすると、心身の健やかさを保つ暮らしができます。
オフィスワークが中心になると懸念されるのが、慢性的な運動不足です。とくに在宅勤務が中心の場合は通勤での移動がない分、運動不足による健康被害に悩んでいる人も多いかもしれません。
定期的な運動を日々の生活に取り入れると、体力維持や体調管理の側面だけでなく、集中力があがり仕事の生産性も高まります。ウォーキング・ランニング・ヨガなどの有酸素運動や適度な筋トレなど、体調や体力にあわせた運動を習慣化させましょう。
日々の仕事でも、多くの学びがあります。しかし多くのビジネスパーソンが、業務に関係あるなしに関わらず、さらなる学びの機会を得たいと考えています。
語学や投資の勉強や趣味に関係することまで、幅広く学ぶ時間を設けてみてはいかがでしょうか。資格取得など具体的なゴールを設定すると、より取り組みやすいかもしれません。近年ではオンライン学習も充実しているので、気軽に始めてみましょう。
仕事に熱中して取り組む日々も、充実した生活といえます。その一方で、がむしゃらにがんばり続けるとからだと心に疲労が蓄積し、考えが偏ったり柔軟に考えられなかったりすることがあります。
アイデアはリラックスした状態のときにうまれやすいともいわれるため、休日は仕事を切り離して過ごしてみてください。かえって仕事にもよい影響が出るでしょう。
気分転換に買い物やドライブに出かける、家でゆっくり過ごす、映画や音楽を鑑賞するなど、その時々の気分にあわせた過ごし方を満喫してください。
ビジネスパーソンのなかには、仕事でも社会貢献に関わりたいと考える人もいるでしょう。休日に自分の趣味を楽しむのも素敵ですが、ときには社会に貢献できる活動をおこなうのもおすすめです。例えば、地域の清掃ボランティア活動などに、参加してみるのはいかがでしょうか。また環境に配慮した製品を購入するなどの行動も、社会貢献の一つといえます。
ビジネスパーソンが、オン・オフにかかわらず健康的で理想のライフスタイルを実現するためには、ウェルビーイングを意識した働き方が重要です。健康経営などの企業努力も必要ですが、ワーカー自身も意識することで、より充実したワークライフを叶えられます。
「ウェルビーイング(well-being)」とは、心身ともに良好な状態を意味する考え方です。肉体的・精神的な面だけでなく、社会的にも満たされた状態にあるような生き方を指しており、近年の働き方のなかで大切にすべき考えとされています。
働き方の多様化にともない、企業も柔軟な体制でさまざまな価値観を受け入れる必要があります。就業時間の自由度をあげる、テレワーク・リモートワークを取り入れるなど、ワーカーにとって魅力的な労働環境をつくり、働く幸福度をあげることも課題の一つです。しかしワーカーも、どのように働けばより生産性を高められるのかを模索し、自ら健康的な生活を送る努力をするべきでしょう。
心身ともに健やかに働くためには、職場環境も重要です。ハイブリットワークが定着し、自宅やコア・ワーキングスペースとオフィスを併用した働き方が広く普及しています。これまでは画一的だったオフィスにも、心身の健康と充実した時間の過ごせる空間が求められています。
新しい働き方のなかで、コミュニケーションが取りにくい、セキュリティ管理が難しいなどの問題もみえてきました。「働きにくさ」は小さなストレスの積み重ねから生まれやすいものですが、反面、それらを解決していくことで、働きやすい環境がつくれます。ストレスを解決した働きやすいオフィスづくりは、企業にとっても、ワーカーにとっても、メリットが大きいのではないでしょうか。
オンもオフも充実した毎日を送るために、働くストレスを減らしたオフィス空間が必要です。では理想的な暮らしを叶えるための、オフィスとはどのようなものでしょうか。具体的なポイントを解説したいと思います。
社会の大きな変化によって、生活に新しい常識が定着した状態を指す「ニューノーマル」。記憶に新しい出来事では、新型コロナ感染症対策による「出社しない働き方」が挙げられます。また、子育てや介護などの家庭の事情で長時間勤務ができない方には、在宅勤務がありがたいでしょう。
一方、自宅では家族がいるなどの理由で、集中して仕事ができないと感じる方もいます。またワーケーションや副業などの新たな働き方にも広く対応できる職場環境が求められています。一人ひとりに固定席がある従来型のオフィスではなく、出社している人が空いている席を利用できるフリーアドレスデスクやオープンスペースを活用できるスタイルはこれからの働き方にマッチしているといえます。
在宅勤務推奨の動きに対して、オフィス回帰の声も聞かれます。しかし、政府の働き方改革のなかでも推進されているテレワーク・リモートワークは、すでに定着した働き方の一つです。在宅勤務を行うには、仕事をするために次のような環境を整える必要があります。
● 業務を問題なく行える通信環境
● 疲れにくい仕事に向いた家具を用意する
● 防音対策や仕事に適した照明を設置するなど集中できる場所をつくる
● セキュリティを強化する
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テレワーク・リモートワークが増えてきたなかで、コミュニケーション不足が問題点として挙げられています。また在宅勤務では一人きりで仕事を行うため、孤独感や疎外感を感じるケースもあるでしょう。チーム内や取引先とうまく連携が取れず、ミスやトラブルを引き起こす原因になる恐れがあります。
そこでオフィスに求められるものも変わってきました。コミュニケーションを取りやすくするアイデアとして、次のような例が挙げられます。
● ラウンジのような共有スペースを使い、部署をこえてコミュニケーションをとる
● 自分のデスクにこもるのではなく、開かれた場所で仕事をする
● カフェにいるようにくつろいだ気持ちで過ごす休憩スペースを設ける
一方で自宅では集中できない人のために、個室ブースも用意するとよいでしょう。また、コミュニケーション方法の変化の一つとして、オンラインでの会議や商談も増えました。周囲への配慮や気兼ねなく会話ができるように、あえてクローズドな空間も需要が高まっています。
ワークスペースのそばに、個室のミーティングブースを設けています。アクセスしやすいスムーズな動線で、開かれた空間とクローズド空間が同居したレイアウトです。
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ウェルビーイングを考えたオフィスでは、効率よく仕事に集中して生産性を高めると同時に、リラックスした気持ちになれる環境が大切です。気持ちを切り替えるための休憩スペースを設けたり、癒し効果のある観葉植物を置いたりしてみましょう。また運動ができるスペースを設けるのもおすすめです。ヨガマットや筋トレグッズなどを置き、自由に使えるような休憩スペースがあれば、気分転換に気軽にからだを動かせます。
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窓際にトレーニング&リフレッシュスペースを配置。開放的な空間で、筋力トレーニングやランチミーティングなどができるようになっています。
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仕事やプライベートに対する価値観は多様化しています。これからのビジネスパーソンにとって、心身ともに健康的で充実した毎日を過ごすことがスタンダードになっていくのではないでしょうか。そのためには、働く環境を快適にする必要があります。ワークスペースを心地よいものにして、理想の暮らしを実現しましょう。