自宅でリビングに観葉植物を置く、あるいはベランダガーデニングをして植物に親しんでいる方も多いのではないしょうか。インテリアグリーンを取り入れると癒しが得られると耳にすることもありますが、実際に効果があるのか気になります。
自宅だけでなく、オフィス緑化を進める企業も増えています。仕事は癒しだけでなく、集中して業務に取り組めるかどうかも重要です。インテリアグリーンを取り入れるメリットはあるのでしょうか。
本記事では、インテリアグリーンのメリットや導入する際のポイントを詳しくご紹介します。オフィスにインテリアグリーンを取り入れて、働きやすい環境を作り、従業員の満足度を上げてみませんか。
忙しく働くオフィスワーカーにとって、居心地のよい環境は生産性を上げるために重要なポイントです。インテリアグリーンがあると、オフィスで働く人にとってどのようなメリットが生まれるのでしょうか。
植物や緑色には、人の気持ちをリラックスさせる効果があります。仕事中に、ミスをして落ち込むことや忙しさにいら立つ瞬間はありませんか。集中して仕事に取り組めていても、継続して作業をすれば心身に疲労がたまります。植物が目に入ると精神的な安定を示すアルファ波が増えると言われています。筋肉の緊張をほぐし、疲れやストレスを軽減できるでしょう。
NASA(アメリカ航空宇宙局)では、植物の光合成が吸気の吸収に伴い有害物質やカビを吸収・除去する効果があると発表しました。なかでも、空気清浄効果が高い植物をエコプラントと名付けて選定してします。例えば、たばこの煙や接着時・建材塗料、トイレのにおいなどを除去する植物があります。二酸化炭素を吸収する効果に加えて、化学物質を取り除き空間のリフレッシュが可能です。
デスクワークが多く、常にパソコンを見る仕事をしている方は、とくに「目の疲れ」を感じるのではないでしょうか。植物の緑は、眼精疲労を軽減させます。目の疲れから、頭・首・肩などの身体全体の不調につながるケースもよく見られます。オフィス緑化は、従業員の体調改善・健康管理に役立つでしょう。健康経営の一環としても、有効な手段の一つです。
リラックスした気持ちで仕事に取り組めば、周囲の人とのコミュニケーションも円滑になります。また、身体の疲れを軽減させる効果により、生産性も高まるでしょう。コミュニケーションが活発になれば、会話のなかから新しいアイデアが生まれるかもしれません。メンタルヘルスの向上にも期待できます。
ワンルームの広いオフィスでは、部署ごとに空間が区切られていない場合があります。扉や間仕切り壁をつけると圧迫感があり、部署をこえたコミュニケーションが取りにくくなります。そこで、背の低い収納家具やパーティションを用いた圧迫感のない間仕切りが必要です。鉢植えの植物をパーティション代わりに活用すれば、インテリア性も高められる間仕切りを設けられます。
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オフィスにインテリアグリーンがあると、従業員満足度を高められるようなメリットがあることがわかりました。では、実際に導入するときには、どのようなポイントを意識するとよいでしょうか。
植物は生き物である以上、手入れ・世話に手間がかかります。葉が落ちにくい、水やりの回数が少なくてもよい種類の植物を選ぶとよいでしょう。日光が入りにくい場所や温度管理が一定ではない場所に置く場合、環境に適している植物であるかも選定ポイントの一つです。
また、水やりや落葉の処理も必要です。そのため、オフィス内で適切に管理を続けられる担当者がいるかどうかもあらかじめ考える必要があります。定期的なメンテナンスは業者に依頼する、手入れの手間が少ないフェイクグリーンを導入する方法も検討してみてはいかがでしょうか。
植物の種類によって、数百円〜数万円と値段の幅が広いのもインテリアグリーンの特徴です。オフィスの広さに対して、どれくらいの量の植物を置きたいかを検討し、予算に応じた植物を選んでみてください。
植物は導入時に必要な植木・プランターにかかるコストだけでなく、メンテナンスに必要な「ランニングコスト」も必要です。水・肥料などのほかに、メンテナンスをアウトソーシングする際の費用もかかるでしょう。社内で管理する場合でも、その分のリソースを割くことになるため、継続的なコストも踏まえて検討する必要があります。
葉っぱが直線的なもの、柔らかく丸みのあるものなど、インテリアグリーンの種類はさまざまです。オフィスデザインに合わせた植物を選びましょう。植木鉢やポットなど、入れ物のデザイン・色・柄によっても、部屋の印象が変わります。
天井や棚から吊るすタイプや壁面にパネル状のグリーンを貼るものなど、インテリアグリーンと言ってもさまざまな置き方・飾り方があります。飾り方にこだわり、オフィスのインテリアアイテムとして魅力的な見せ方を考えてみてください。
おしゃれな置き方・飾り方だけでなく、仕事に適した配置になっているかを考える必要もあります。通路をふさぐ置き方や業務上の動線を邪魔するレイアウトにならないように注意してみてください。また「収納の開閉がしにくい」「ホワイトボードが見にくい」など、作業の妨害にならない位置かどうかもあらかじめチェックしておきましょう。
リアルグリーンは、置いているあいだに葉っぱが増えたり伸びたりします。適度に剪定を行ってください。机上に小さな植物を置くケースも考えられます。葉っぱがパソコン画面に重ならないように手入れをしましょう。
オフィスにインテリアグリーンを導入する方法をご紹介します。鉢植え以外にも、さまざまな飾り方・取り入れ方があるので、マッチする方法を選んでみてください。
もっともスタンダードなのが、床や机・棚の上に鉢植えを置く方法です。鉢やプランターの種類も豊富で、はじめて導入する場合でも気軽に始められます。執務スペース・休憩スペースなど、場所を選ばずに設置可能です。小スペースでは動線の邪魔になる可能性があるので、レイアウトやサイズを考えておきましょう。
小型の植物をデスク上に置いて、個人的に楽しんでもよいでしょう。書類やパソコン・OA機器などの水に弱いアイテムも多いため、倒れてしまわないような工夫をしてみてください。エアプランツや多肉植物など、水分をたくさん必要としない種類の植物もおすすめです。
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鉢植えを置くスペースが十分に取れない場合は、天井やポールに吊り下げるタイプのプランターがおすすめです。足元に置かないため、邪魔になりません。吊り下げタイプには、つる植物のような下に垂れる植物が合います。また、比較的小さなものを複数飾るとよいでしょう。
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壁面に植物を飾る方法もあります。パネル状のものやプランターやポットが壁面パネルに取り付けられ、そのなかに植物を入れるようなものなどさまざまです。一枚の絵画のよう、植物を寄せ植えたパネルもあり、印象的な空間演出ができます。
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植物ではありませんが、人工芝や植物をイメージするようなグリーンのカーペットを敷くだけでも、癒しの効果を得られます。休憩スペースや余暇スペースに敷いてみてはいかがでしょうか。
植物には、癒し効果だけでなく空気清浄や目の疲れを軽減させる力があります。従業員の疲れを取り除けば作業効率もあがるでしょう。オフィス緑化を進めることで従業員のストレスを解消できます。前向きな気持ちで仕事に取り組める環境づくりは、これからのオフィスに大切な要素の一つです。